UE5のレンダリングとNaniteの仕組み解説

UE5のレンダリングとNanite

UE5のレンダリングとNaniteの概要
🔍
高精細なジオメトリ

数百万ポリゴンのモデルをリアルタイムでレンダリング

パフォーマンス最適化

ポリゴン数に関連する制限を大幅に削減

🎨
高品質なグラフィックス

Lumenとの連携で動的なグローバルイルミネーションを実現

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UE5のNaniteシステムの基本概念と仕組み

Naniteは、Unreal Engine 5(UE5)に導入された革新的な仮想化ジオメトリシステムです。このシステムにより、開発者は数百万ポリゴンの3Dモデルを簡単にリアルタイムでレンダリングすることが可能になりました。

 

Naniteの核心は、メッシュをクラスタという単位に分割し、階層構造を構築することにあります。これにより、以下のような利点が生まれます:

 

• クラスタ単位でLOD(Level of Detail)のように描画メッシュを切り替えられる
• 必要なデータのみをメモリに送るストリーミングが可能
• 高精細なメッシュから必要な詳細度で描画できる

 

Naniteは独自のソフトウェアラスタライザとレンダリングパイプラインを使用しており、これによりマルチビューでの描画が可能になっています。

 

Naniteの詳細な仕組みと利点についての公式ブログ記事

 

興味深いのは、Naniteが極小のポリゴンを処理する際の方法です。GPUのハードウェアラスタライズは極小のポリゴンの場合に遅くなってしまうため、Naniteは場合によりソフトウェアでラスタライズを行います。これは以下の設定で制御されています:

 

r.Nanite.MinPixelsPerEdgeHW 32
r.Nanite.ComputeRasterization 1
r.Nanite.AsyncRasterization 1


UE5のレンダリングパイプラインにおけるNaniteの役割

Naniteは、UE5のレンダリングパイプラインにおいて中心的な役割を果たしています。従来のレンダリング手法と比較して、Naniteは以下のような特徴を持っています:

 

1. ポリゴン数の制限を実質的に解消
2. LOD(Level of Detail)の自動管理
3. オクルージョンカリングの効率化
4. メモリ使用量の最適化

 

Naniteは、VisBuffer、Shadow Depth、Lumenなどの他のレンダリング技術と密接に連携しています。特に、Lumenとの組み合わせにより、動的なグローバルイルミネーションを高効率で実現しています。

 

UE5のCity Sampleを例にしたレンダリング最適化の詳細解説

 

Naniteの性能を最大限に引き出すためには、以下のような点に注意が必要です:

 

• オーバードローを減らす
• Maskedなど、Programmable Rasterizerは最小限に抑える
• World Position Offset(WPO)の使用を適切に制限する

 

 

UE5のNaniteを使用する際の最適化テクニック

 

Naniteを効果的に使用するためには、いくつかの最適化テクニックを理解し、適用することが重要です:

 

1. メッシュの適切な分割
• 大規模なメッシュを適切なサイズに分割することで、Naniteの処理効率が向上します

 

2. マテリアルの最適化
• 複雑なマテリアル、特にマスクを使用するものは、Naniteの性能に影響を与える可能性があります
• シンプルで効率的なマテリアルを使用することが推奨されます

 

3. LODの適切な設定
• Naniteは自動的にLODを管理しますが、適切な初期設定が重要です

 

4. オクルージョンカリングの活用
• Naniteはオクルージョンカリングを効率的に行いますが、シーンの適切な設計がパフォーマンスを大きく左右します

 

5. ストリーミングの最適化
• r.Nanite.Streaming.StreamingPoolSizeの設定を適切に調整することで、メモリ使用量とパフォーマンスのバランスを取ることができます

 

Naniteを使用したパフォーマンス最適化の具体的な手法

 

また、Nanite Toolsを使用することで、Naniteの設定や最適化を効率的に行うことができます。ただし、UE5の最新バージョンではNanite Toolsが廃止され、代わりにコンテンツブラウザの機能が拡張されています。

 

 

UE5のNaniteとLumenの連携によるグラフィックス向上

NaniteとLumenは、UE5の2大革新技術として知られています。これらの技術を組み合わせることで、驚異的なグラフィックスクオリティを実現することができます。

 

Lumenは動的なグローバルイルミネーション(GI)システムで、以下のような特徴があります:

 

• リアルタイムの間接光計算
• 動的な反射や屈折の表現
• 高品質なソフトシャドウの生成

 

NaniteとLumenを組み合わせることで、以下のような利点が得られます:

 

1. 超高解像度のジオメトリによる精密な光の相互作用
2. 動的な照明変化に対する高精度な反応
3. 大規模シーンでのリアルタイムGIの実現

 

しかし、NaniteとLumenの組み合わせには注意点もあります:

 

• 両技術ともに高い計算能力を要求するため、適切な最適化が不可欠
• すべてのプラットフォームで同等の性能を発揮するわけではない(特にモバイルデバイスでの制限)

 

NaniteとLumenのVR開発での使用可能性に関する最新情報

 

 

UE5のNanite使用時のパフォーマンス考慮事項

Naniteは非常に強力な技術ですが、適切に使用しないとパフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。以下は、Nanite使用時に考慮すべき主要なポイントです:

 

1. メモリ使用量
• Naniteは高解像度のジオメトリを効率的に処理しますが、それでも大量のメモリを消費する可能性があります
• r.Nanite.Streaming.StreamingPoolSizeの設定を適切に調整することが重要です

 

2. GPU負荷
• 複雑なシーンでは、GPUに大きな負荷がかかる可能性があります
• プロファイリングツールを使用して、GPUのボトルネックを特定し最適化することが重要です

 

3. マテリアルの複雑さ
• 複雑なマテリアル、特にマスクを使用するものは、Naniteの性能に大きな影響を与える可能性があります
• シンプルで効率的なマテリアルの使用を心がけましょう

 

4. シーンの複雑さ
• Naniteは多数のオブジェクトを効率的に処理できますが、過度に複雑なシーンはパフォーマンスに影響を与える可能性があります
• r.Nanite.MaxNodesとr.Nanite.MaxVisibleClustersの設定に注意が必要です

 

5. プラットフォーム依存性
• Naniteはすべてのプラットフォームで同等の性能を発揮するわけではありません
• 特にモバイルデバイスやVRプラットフォームでは、追加の最適化が必要になる場合があります

 

UE5のグラフィックス機能使用時の注意点まとめ

 

Naniteを効果的に使用するためには、これらの考慮事項を理解し、プロジェクトの要件に応じて適切に調整することが重要です。定期的なプロファイリングと最適化を行うことで、Naniteの利点を最大限に活かしつつ、高いパフォーマンスを維持することができます。

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