UE5 アニメーション機能と設計法の基本

UE5 アニメーションの基本と新機能

UE5アニメーションの主要機能
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アニメーションブループリント

キャラクターの動きを制御する中心的なツール

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リターゲティング

異なるキャラクター間でアニメーションを共有

🏃
ロコモーションシステム

自然な歩行や走行を実現する機能

3DCGゲームワールド制作入門
Unreal Engine 5ではじめる! 3DCGゲームワールド制作入門


 

UE5アニメーションの基本的な仕組み

Unreal Engine 5(UE5)のアニメーションシステムは、ゲーム開発者に強力なツールを提供し、リアルで魅力的なキャラクターの動きを作り出すことができます。UE5のアニメーションシステムの中核となるのが、スケルタルメッシュとスケルトンです。

 

スケルタルメッシュは、キャラクターの外見を定義する3Dモデルです。これに対して、スケルトンは、キャラクターの骨格構造を表現し、アニメーションの基礎となります。UE5では、これらの要素を組み合わせて、複雑なアニメーションを作成することができます。

 

アニメーションの基本的な流れは以下のようになります:

 

• スケルタルメッシュの作成
• スケルトンの設定
• アニメーションシーケンスの作成
• アニメーションブループリントでの制御
• 実行時のアニメーション再生

 

UE5では、これらの要素を効率的に管理するためのツールが用意されています。例えば、アニメーションエディタを使用すると、アニメーションシーケンスの編集や、ブレンドスペースの作成が可能です。

 

アニメーションブループリントについての詳細な情報:
アニメーションを再生する方法(Animation Blueprint編)【UE5,UE4】

 

UE5で追加された新しいアニメーション機能

UE5では、従来のアニメーション機能が大幅に強化されただけでなく、新しい機能も多数追加されました。その中でも特に注目すべき機能をいくつか紹介します。

  1. Control Rig
    Control Rigは、アニメーターがより直感的にキャラクターを操作できるようにするツールです。これにより、複雑な動きやポーズを簡単に作成することができます。
  2. Full-Body IK (FBIK)
    Full-Body IKは、キャラクターの全身の動きをより自然に制御することができる機能です。これにより、環境との相互作用や、複雑なポーズの作成が容易になります。
  3. Motion Warping
    Motion Warpingは、既存のアニメーションを動的に調整する機能です。これにより、キャラクターの動きを環境に合わせて自然に調整することができます。
  4. Pose Warping
    Pose Warpingは、キャラクターのポーズを動的に変更する機能です。これにより、異なる体型や姿勢のキャラクターに対して、同じアニメーションを適用することができます。

 

これらの新機能により、UE5でのアニメーション制作の幅が大きく広がりました。例えば、Control RigとFull-Body IKを組み合わせることで、より自然で動的なキャラクターの動きを作成することができます。

 

UE5の新しいアニメーションリターゲット機能についての詳細:
[UE5] 新しくなったアニメーションリターゲット - Zenn

 

UE5アニメーションブループリントの活用法

アニメーションブループリントは、UE5でキャラクターのアニメーションを制御するための中心的なツールです。これを効果的に活用することで、複雑なアニメーションロジックを視覚的に構築することができます。

 

アニメーションブループリントの主要な構成要素は以下の通りです:

 

• イベントグラフ:アニメーションの更新ロジックを定義
• アニメーショングラフ:アニメーションの再生と遷移を制御
• ステートマシン:キャラクターの状態に基づいてアニメーションを切り替え

 

アニメーションブループリントを効果的に活用するためのポイントをいくつか紹介します:

  1. モジュール化:
    複雑なアニメーションロジックを小さな機能単位に分割し、再利用可能なモジュールとして設計します。これにより、メンテナンス性が向上し、開発効率が上がります。
  2. ブレンドスペースの活用:
    走る、歩く、しゃがむなどの動作を滑らかに遷移させるために、ブレンドスペースを活用します。これにより、自然な動きを実現できます。
  3. ステートマシンの適切な設計:
    キャラクターの状態(アイドル、走行、ジャンプなど)を明確に定義し、各状態に適したアニメーションを割り当てます。状態間の遷移条件も慎重に設定することが重要です。
  4. パフォーマンスの最適化:
    複雑なロジックや頻繁な更新が必要な処理は、可能な限りC++に移行することを検討します。これにより、実行時のパフォーマンスを向上させることができます。
  5. デバッグツールの活用:
    UE5には、アニメーションブループリントのデバッグを支援するツールが用意されています。これらを活用して、アニメーションの問題を効率的に特定し、解決することができます。

 

アニメーションブループリントの詳細な使用方法や、高度なテクニックについては、以下のリンクを参照してください:
スケルタルメッシュのアニメーション システム - Epic Games DEV

 

UE5ロコモーションシステムの実装方法

UE5のロコモーションシステムは、キャラクターの移動を自然かつリアルに表現するための機能です。このシステムを適切に実装することで、プレイヤーキャラクターや NPCの動きをより魅力的なものにすることができます。

 

ロコモーションシステムの主要な要素は以下の通りです:

 

• 歩行/走行アニメーション
• 方向転換
• 加速/減速
• 傾斜や段差への対応

 

これらの要素を組み合わせて、自然な動きを実現します。UE5でロコモーションシステムを実装する際の主要なステップを紹介します:

  1. ブレンドスペースの作成:
    歩行、小走り、走行などの異なる速度のアニメーションをブレンドスペースで結合します。これにより、速度に応じて滑らかにアニメーションが遷移します。
  2. 方向転換の実装:
    キャラクターの向きと移動方向の差に基づいて、適切な方向転換アニメーションを再生します。これには、ブレンドスペースや独立したアニメーションシーケンスを使用できます。
  3. 加速/減速の処理:
    キャラクターの速度変化に応じて、適切なアニメーションを選択します。急な加速や減速時には、専用のアニメーションを使用することで、よりリアルな動きを表現できます。
  4. IKの活用:
    Inverse Kinematics(IK)を使用して、キャラクターの足が地面に適切に接地するようにします。これにより、傾斜や段差のある地形でも自然な動きを実現できます。
  5. モーションマッチング:
    UE5のモーションマッチング機能を活用して、異なるアニメーション間のスムーズな遷移を実現します。これにより、急な方向転換や速度変化時でも、違和感のない動きを作り出すことができます。

 

ロコモーションシステムの実装には、アニメーションブループリントとC++の両方を組み合わせて使用することが一般的です。複雑な計算や高速な処理が必要な部分はC++で実装し、視覚的な調整が必要な部分はブループリントで実装するというアプローチが効果的です。

 

UE5のアニメーションシステムの詳細については、以下のリンクを参照してください:
アニメーション - Unreal Engine

 

UE5アニメーションリターゲティングの活用

アニメーションリターゲティングは、UE5の強力な機能の一つで、異なるキャラクターモデル間でアニメーションを共有することができます。これにより、開発時間とリソースを大幅に削減することができ、多様なキャラクターに対して一貫したアニメーションを適用することが可能になります。

 

UE5では、アニメーションリターゲティングの方法が大きく改善され、より柔軟で効率的になりました。主な改善点は以下の通りです:

  1. IK Rig:
    新しいIK Rigシステムにより、異なるスケルトン構造を持つキャラクター間でもアニメーションを簡単に共有できるようになりました。
  2. リターゲットマネージャー:
    複数のキャラクター間でのリターゲティングを一括で管理できる新しいツールが導入されました。
  3. ポーズリターゲティング:
    個々のポーズレベルでのリターゲティングが可能になり、より細かな調整ができるようになりました。

 

アニメーションリターゲティングを効果的に活用するためのポイントをいくつか紹介します:

 

• スケルトンの標準化:
可能な限り、プロジェクト内のキャラクターのスケルトン構造を標準化します。これにより、リターゲティングの作業が大幅に簡略化されます。

 

• IK Rigの適切な設定:
IK Rigを正確に設定することで、異なるプロポーションのキャラクター間でもアニメーションを自然に適用することができます。

 

• リターゲットチェーンの活用:
複数のキャラクター間でアニメーションを共有する際は、リターゲットチェーンを使用して効率的に管理します。

 

• ポストプロセス調整:
リターゲティング後のアニメーションを細かく調整するために、アニメーションモディファイアやポストプロセスブループリントを活用します。

 

• パフォーマンスの考慮:
リターゲティングは実行時にも行うことができますが、パフォーマンスへの影響を考慮し、可能な限り事前にリターゲティングを行っておくことをおすすめします。

 

UE5のアニメーションリターゲティング機能の詳細については、以下のリンクを参照してください:
アニメーション リターゲット - Epic Games DEV

 

UE5のアニメーション機能は非常に強力で、適切に活用することで、高品質なゲームコンテンツを効率的に制作することができます。基本的な機能を理解し、新しい機能を積極的に取り入れることで、より魅力的なキャラクターアニメーションを実現することができるでしょう。

 

最後に、UE5の最新バージョンでは、自動リターゲット機能が大幅に改善されています。この機能を使うことで、異なるキャラクター間でのアニメーション共有がさらに簡単になりました。詳細については、以下の動画を参照してください:

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