UE5 4 エンジン改造とモーション機能

UE5 4 の新機能と改良点

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UE5.4のエンジン改造による表現力向上

 

UE5.4では、エンジン改造によって開発者の表現の幅が大きく広がりました。特に注目すべきは、G-Bufferの拡張機能です。これにより、トゥーン表現などの非フォトリアルなレンダリングにおいて、より細かな制御が可能になりました。

 

具体的には、アウトラインの描画箇所を細かく制御できるようになりました。従来のポストプロセスを用いたアウトライン描画では、キャラクターの目の輪郭にまでアウトラインが引かれるなどの問題がありましたが、G-Bufferにアウトラインのマスク情報を格納することで、必要な部分にのみアウトラインを描画できるようになりました。

 

G-Bufferの拡張によるアウトライン制御の詳細についてはこちらを参照

 

エンジン改造の手順としては、以下のステップが一般的です:

  1. プロジェクト実装
  2. プラグイン実装や拡張
  3. エンジン改造

 

ただし、レンダリング周りの改造は、初手からエンジン改造が必要なケースも多いです。UE5.4では、こうした改造をより柔軟に行えるようになりました。

 

UE5.4のモーショングラフィックスモード活用法

UE5.4で新たに追加された「Motion Design」プラグインは、モーショングラフィックス制作を大幅に効率化します。このプラグインを使用することで、2D・3Dのシェイプやテキストなどのアクターをビューポートに直接配置しながら、モーショングラフィックスを作成できます。

 

otion Designの主な特徴:

 

• 2D・3Dオブジェクトの直感的な配置
• アニメーションの簡易作成
• テキストアニメーションの強化
• エフェクトの豊富なプリセット

 

Motion Designの詳細なチュートリアルはこちらを参照

 

このプラグインを活用することで、従来のモーショングラフィックスソフトウェアとUnreal Engineの連携作業が大幅に削減され、ワークフローの効率化が期待できます。

 

UE5.4のモーションマッチング機能の実装

UE5.4で正式リリースされた「Motion Matching」は、アニメーション制作に革新をもたらす機能です。この機能は、複数のモーションとキャラクターの状態に基づいてポーズを生成します。

 

otion Matchingの主な利点:

 

• 自然なアニメーション遷移
• アニメーターの作業負荷軽減
• リアルタイムでの動的なポーズ生成

 

実装には、以下のプラグインの有効化が必要です:

 

• Pose Search
• Chooser
• Animation Insights
• Animation Warping

 

Motion Matchingの詳細な実装方法はこちらを参照

 

この機能を使いこなすことで、キャラクターのアイドル状態から歩行、走行への滑らかな遷移など、より自然で魅力的なアニメーションを少ない労力で実現できます。

 

UE5.4のパストレーサーを使った高品質レンダリング

UE5.4では、パストレーサーの機能が強化され、より高品質なレンダリングが可能になりました。パストレーサーは、リアルタイムレイトレーシングやGPUライトマスと同じレイトレーシングアーキテクチャを使用しており、フォトリアルな表現を追求する際に非常に有効です。

 

パストレーサーの主な特徴:

 

• プログレッシブなサンプル蓄積
• インタラクティブな使用が可能
• ポストプロセスボリュームによる詳細な設定

 

特筆すべきは、ムービーレンダーキュー(MRQ)との組み合わせです。MRQを使用することで、プロダクションパイプラインにおいて高品質なレンダリング出力を効率的に生成できます。

 

パストレーサーの詳細な設定方法はこちらを参照

 

パストレーサーを活用することで、従来のリアルタイムレンダリングでは難しかった複雑な光の相互作用や微細な表面の質感を、より正確に表現することが可能になります。

 

UE5.4のSlate Postbufferによる新たな表現手法

UE5.4で新たに追加されたSlate Postbufferは、UIデザインに革新をもたらす機能です。この機能を使用することで、ゲームシーンをキャプチャし、UIとゲームシーン両方に適用される視覚効果を作成できます。

 

Slate Postbufferの主な用途:

 

• ガラスの雫効果の表現
• ブラー効果のあるUIボタンの配置
• 動的な背景ぼかし効果の実現

 

実装には、DefaultEngine.iniファイルに特定の設定を追加するか、コンソールコマンドで有効化する必要があります。

[ConsoleVariables]

Slate.CopyBackbufferToSlatePostRenderTargets=1

 

Slate Postbufferの詳細な設定方法と実装例はこちらを参照

 

この機能を活用することで、従来のUIデザインでは難しかった、ゲームシーンとUIの融合や、動的な視覚効果の適用が可能になります。例えば、キャラクターの状態に応じてUIの見た目を動的に変化させるなど、より没入感のあるユーザーインターフェースを設計できます。

 

以上、UE5.4の主要な新機能と改良点について解説しました。これらの機能を適切に組み合わせることで、より高品質で没入感のあるゲーム体験を提供することが可能になります。開発者は、これらの新機能を積極的に活用し、クリエイティブな表現の幅を広げていくことが期待されます。

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