ZBrush iPadでスカルプトが革新的に

ZBrush for iPadのリリースにより、デジタルスカルプトの世界に革命が起きました。新しいUIやタッチ操作など、iPadならではの機能が満載です。でも、デスクトップ版との違いは何でしょうか?

ZBrush iPadの特徴と機能

ZBrush for iPadの主な特徴
🎨
刷新されたUI

タッチ操作に最適化された直感的なインターフェース

✏️
Apple Pencil対応

精密なスカルプティングと自然な描画感

💻
デスクトップ版との連携

ファイルの相互互換性とシームレスなワークフロー

ZBrush iPadのUIとタッチ操作

ZBrush for iPadは、タッチベースの操作に最適化された革新的なUIを採用しています。デスクトップ版のクイックメニューを拡張し、指のスワイプやジェスチャーを使って描画サイズやフォーカルシフトの変更、アンドゥ・リドゥ操作が可能になりました。

 

さらに、Apple Pencilのダブルタップやスクイーズ機能にカスタムアクションを割り当てることができ、ポリゴンのエッジ表示やポリグループの使用といった操作をスムーズに行えます。

 

左利きのユーザーにも配慮されており、左手モードが用意されています。これにより、ブラシの切り替えやサイズ変更などのモディファイアを、ペンを持つ手とは逆の手で操作できるようになっています。

ZBrush iPadのブラシと機能

ZBrush for iPadには、デスクトップ版の約500種類に対して約200種類のブラシが搭載されています。これらのブラシは、実際の彫刻テクニックを念頭に置いて作成された独自のデジタルスカルプトブラシコレクションです。

 

主要な機能としては、以下のものが含まれています:

  • Sculptris Pro
  • Zリメッシャー(ZRemesher)
  • ダイナメッシュ(Dynamesh)
  • ポリペイント(PolyPaint)
  • サブディビジョンモデリング
  • アレイメッシュ
  • インサートブラシ
  • ライブブーリアン
  • VDM(Vector Displacement Meshes)ブラシ

 

これらの機能により、デスクトップ版に匹敵する高度なスカルプティングが可能になっています。

ZBrush iPadのパフォーマンスと互換性

ZBrush for iPadは、iPadのメモリとバージョンに応じて、デスクトップ版と同レベルのディテールを実現しています。例えば、1テラバイト(TB)以上のストレージを備えた最新のM4 iPadでは、サブツール当たり最大で9200万ポリゴンにも対応可能です。

 

Maxon OneおよびZBrushのサブスクリプションユーザーは、ZTool(ZTL)およびZProject(ZPR)ファイルをiPad版とデスクトップ版の間でシームレスに転送できます。さらに、GoZを使用すれば、ワンクリックで簡単にバージョン間のファイル移動も可能です。

 

これにより、外出先で作業を始め、オフィスや自宅のデスクトップで続きを行うといった柔軟なワークフローが実現します。

ZBrush iPadの価格プランと機能比較

ZBrush for iPadは、無料版と有料版の2種類のプランが用意されています。以下に、各プランの主な特徴と機能を比較します:

  1. 無料版:

    • 28種類のブラシ
    • Zリメッシャー(一部制限あり)
    • ダイナメッシュ
    • Zスフィア
    • Sculptris Pro
    • ポリペイントのみ
    • 限られた共有機能
    • BPRレンダリング

  2. 有料版(¥13,000/年):

    • 200種類以上のブラシ
    • アレイメッシュ
    • Zリメッシャー(すべての機能)
    • ダイナミックサブディビジョンとオプション
    • ライブブーリアン
    • カスタマイズ機能
    • ブラシのロード/セーブ
    • ファイバーメッシュ
    • ギズモデフォーマ
    • スマイルブリッジ
    • プロキシポーズ
    • デジメーションマスター
    • トランスポーズマスター

  3. デスクトップ版(¥69,740/年):

    • デスクトップ版とiPad版のバンドル
    • 500種類以上のブラシ
    • プラグイン対応
    • その他、iPad版の全機能を含む

 

この価格設定により、初心者からプロフェッショナルまで、幅広いユーザーのニーズに対応しています。

ZBrush iPadがもたらす業界への影響

ZBrush for iPadのリリースは、デジタルスカルプティング業界に大きな影響を与える可能性があります。モバイル環境でのハイエンドな3Dモデリングが可能になることで、以下のような変化が予想されます:

  1. ワークフローの柔軟化:
    外出先やインスピレーションを得た場所で即座にアイデアを形にできるようになり、クリエイティブプロセスがより自由になります。
  2. コラボレーションの促進:
    モバイル環境でのスカルプティングにより、アートディレクターとのリアルタイムフィードバックや、チーム間での迅速な情報共有が可能になります。
  3. 教育分野での活用:
    iPadの普及率の高さを考えると、3Dモデリングの教育がより身近になり、新たな人材の育成につながる可能性があります。
  4. 業界標準の変化:
    モバイルでのハイクオリティな3Dモデリングが一般化することで、業界全体のワークフローや制作プロセスが変化する可能性があります。
  5. 新たな表現方法の創出:
    モバイル環境ならではの操作感や機能が、これまでにない新しい表現技法を生み出す可能性があります。

 

ZBrush for iPadの機能や操作感を詳しく紹介した公式トレーラー動画

 

これらの変化により、3DCGアーティストやデザイナーの働き方が大きく変わる可能性があります。また、モバイル環境での3Dモデリングの普及により、新たなアプリケーションや産業が生まれる可能性も考えられます。

 

ZBrush for iPadは、単なるモバイル版ツールではなく、デジタルスカルプティングの未来を切り開く革新的なプラットフォームとなる可能性を秘めています。今後の展開と業界への影響に注目が集まっています。