Unreal Engine 5ではじめる! 3DCGゲームワールド制作入門
Unreal Engine 5(UE5)は強力なゲーム開発エンジンですが、時としてエディタの起動時にクラッシュする問題に直面することがあります。この問題は開発者にとって非常にストレスフルな経験となりますが、いくつかの対策を講じることで解決できる場合が多いです。
1. グラフィックドライバーの更新
UE5のクラッシュの多くは、古いまたは互換性のないグラフィックドライバーが原因です。NVIDIAやAMDの公式サイトから最新のドライバーをダウンロードし、インストールしてください。
2. DirectX設定の変更
プロジェクト設定でDirectXのバージョンを変更することで、クラッシュを回避できる場合があります。
• プロジェクト設定を開く
• 「プラットフォーム」→「Windows」を選択
• 「DirectX 12」を「DirectX 11」に変更
3. キャッシュの削除
UE5のキャッシュファイルが破損している可能性があります。以下のフォルダを削除してみてください:
• [プロジェクトフォルダ]/Saved
• [プロジェクトフォルダ]/Intermediate
• [UE5インストールフォルダ]/Engine/DerivedDataCache
4. プロジェクトの再生成
プロジェクトファイルが破損している可能性がある場合、以下の手順を試してください:
• プロジェクトフォルダ内の.uprojectファイルを右クリック
• 「Generate Visual Studio project files」を選択
• Visual Studioでソリューションを再ビルド
5. コマンドライン引数の使用
UE5エディタを起動する際に特定のコマンドライン引数を使用することで、問題を回避できる場合があります。
• -nosplash:スプラッシュ画面をスキップ
• -windowed:ウィンドウモードで起動
• -dx11:DirectX 11を強制使用
これらの対策を試しても問題が解決しない場合は、UE5フォーラムやコミュニティでサポートを求めることをお勧めします。
UE5起動時のクラッシュに関する公式フォーラムのディスカッション
UE5のプロジェクト設定を適切に調整することで、多くのクラッシュを防ぐことができます。以下は、特に注意すべき設定項目です:
1. レンダリング設定の最適化
• 「Project Settings」→「Engine」→「Rendering」を開く
• 「Virtual Texture」のタイルサイズを適切な値に設定(例:128から2048の間)
• 「Zlib compression」を無効化する
2. メモリ使用量の制限
• 「Project Settings」→「Engine」→「General Settings」を開く
• 「Memory」セクションで「Pool Size」を調整(プロジェクトの規模に応じて)
3. シェーダーコンパイルの最適化
• 「Project Settings」→「Engine」→「Rendering」→「Shader」を開く
• 「Compile Shaders for Development」をオフにする(開発中は若干の遅延が発生する可能性あり)
4. ガベージコレクションの調整
• 「Project Settings」→「Engine」→「Garbage Collection」を開く
• 「Use Incremental GC」をオンにする
• 「Incremental Begin DestroySmall」と「Large」の値を調整
5. テクスチャストリーミングの最適化
• 「Project Settings」→「Engine」→「Rendering」→「Textures」を開く
• 「Texture Streaming」セクションで適切な設定を行う
これらの設定を調整することで、UE5のパフォーマンスが向上し、クラッシュのリスクを軽減できる可能性があります。ただし、プロジェクトの規模や特性によって最適な設定は異なるため、テストと調整を繰り返すことが重要です。
UE5でクラッシュが発生した場合、ログファイルを解析することで問題の原因を特定できる場合があります。以下は、クラッシュログの解析とデバッグの基本的な手順です:
1. クラッシュログの場所
クラッシュログは通常、以下の場所に保存されています:
• [プロジェクトフォルダ]/Saved/Crashes
2. ログファイルの構造
クラッシュログファイルは通常、以下の情報を含んでいます:
• クラッシュの概要
• システム情報
• エラーメッセージ
• コールスタック
3. 主要なエラーメッセージ
よく見られるエラーメッセージとその意味:
• EXCEPTION_ACCESS_VIOLATION:メモリアクセス違反
• EXCEPTION_STACK_OVERFLOW:スタックオーバーフロー
• Fatal Error:致命的なエラー
4. コールスタックの解析
コールスタックは、クラッシュが発生した時点でのプログラムの実行状態を示します。これを解析することで、問題の発生箇所を特定できます。
5. シンボルファイルの使用
デバッグシンボルを使用することで、より詳細な情報を得ることができます。シンボルファイルは通常、[UE5インストールフォルダ]/Engine/Binaries/Win64/にあります。
6. デバッガーの活用
Visual StudioなどのIDEに組み込まれているデバッガーを使用して、クラッシュの瞬間をキャプチャし、変数の状態を確認することができます。
7. GPU関連のクラッシュ
GPU関連のクラッシュの場合、NVIDIAのAftermath SDKやUE5の新しいGPU Breadcrumbsシステムを活用することで、より詳細な情報を得ることができます。
これらの手法を組み合わせることで、UE5のクラッシュの原因を特定し、効果的に問題を解決することができます。ただし、複雑なクラッシュの場合は、UE5コミュニティや専門家のサポートを求めることも検討してください。
UE5のパフォーマンスを最適化することで、クラッシュのリスクを大幅に軽減できます。以下は、パフォーマンス最適化のための主要な戦略です:
1. レベルストリーミングの活用
大規模なワールドを扱う場合、レベルストリーミングを使用してメモリ使用量を削減し、パフォーマンスを向上させることができます。
• World Partition システムを使用して、大規模なワールドを自動的に分割
• レベルストリーミングボリュームを適切に配置
2. LOD(Level of Detail)の最適化
遠距離のオブジェクトに対して低詳細度のモデルを使用することで、描画負荷を軽減できます。
• スタティックメッシュのLOD設定を適切に調整
• フォリッジのLODを活用して、遠距離の植生の描画負荷を軽減
3. ライティングの最適化
ライティングは重要な視覚要素ですが、同時に大きな処理負荷の原因にもなります。
• 静的ライティングを可能な限り活用
• ライトマップ解像度を適切に設定
• 動的ライトの数を制限
4. マテリアルの最適化
複雑なマテリアルは、GPUに大きな負荷をかける可能性があります。
• マテリアルインスタンスを活用して、パラメータ化されたマテリアルを効率的に使用
• マテリアル関数を使用して、共通の処理を再利用
• テクスチャストリーミングを適切に設定
5. ブループリントの最適化
ブループリントは便利ですが、非効率な使用はパフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。
• 頻繁に実行されるロジックはC++に移行することを検討
• ティック(毎フレーム実行)イベントの使用を最小限に抑える
• ループ内でのガベージコレクションを避ける
6. プロファイリングツールの活用
UE5には強力なプロファイリングツールが用意されています。これらを活用して、パフォーマンスのボトルネックを特定し、最適化を行いましょう。
• GPU Visualizerを使用してレンダリングパフォーマンスを分析
• Stat Commandsを使用して、様々な性能指標をリアルタイムで確認
UE5のパフォーマンスとプロファイリングに関する公式ドキュメント
これらの最適化技術を適切に適用することで、UE5プロジェクトのパフォーマンスを大幅に向上させ、クラッシュのリスクを軽減することができます。ただし、最適化は継続的なプロセスであり、プロジェクトの進行に合わせて定期的に見直しと調整を行うことが重要です。
UE5の安定性とパフォーマンスを維持するためには、エンジン自体のアップデートとシステムドライバーの更新が非常に重要です。以下は、その理由と適切な更新方法について説明します:
1. UE5のアップデート
Epic Gamesは定期的にUE5のアップデートをリリースしています。これらのアップデートには、バグ修正、パフォーマンス改善、新機能の追加などが含まれています。
アップデートの重要性:
• 既知のバグやクラッシュの修正
• 新しいハードウェアやOS向けの最適化
• セキュリティの向上
アップデート方法:
• Epic Games Launcherを使用して最新バージョンをダウンロード
• プロジェクトの互換性を確認してから更新を適用
• 重要なプロジェクトはバックアップを取ってから更新
2. グラフィックドライバーの更新
GPUドライバーは、UE5のパフォーマンスと安定性に直接影響を与えます。最新のドライバーは、新しいゲームエンジンバージョンに対する最適化を含んでいることが多いです。
更新の重要性:
• UE5との互換性の向上
• レンダリングパフォーマンスの改善
• 新しいGPU機能のサポート
更新方法:
• NVIDIA GeForce Experience or AMD Radeon Softwareを使用して自動更新
• 製造元の公式サイトから最新ドライバーを手動でダウンロード
• ベータドライバーは慎重に扱い、安定版を優先
3. その他のシステムドライ
Unreal Engineの解説書が高ぇー!
というあなた向けに、2,550円引きでゲットする方法です。
この本だと、通常3,520円なので、2,550円引きの970円でゲットできます。
ざっくり言うと、DMMブックスのクーポンと特典を併用します。
実は、DMMブックスは利用者を増やすために初回90%オフ(最大2,000円引き)のクーポンを配布中。初回利用者限定で使えます。
加えて、DMMプレミアムという動画サブスクの無料お試しで、特典として550ポイント(550円相当)がゲットできる。
クーポンと特典合わせて2,550円引きで専門書などが割引になるというわけ。もちろん、2,550円以下の本ならタダでもらえることになります。
詳しくはこちらの記事にまとめました。