Unreal Engine 5ではじめる! 3DCGゲームワールド制作入門
UE5でキャラクターを動かすための第一歩は、適切なブループリントの作成です。キャラクターブループリントは、キャラクターの基本的な動作や属性を定義する重要な要素です。
1. コンテンツブラウザで新規フォルダを作成
2. フォルダ内で右クリック→「ブループリントクラス」→「Character」を選択
3. 作成したブループリントに分かりやすい名前を付ける(例:BP_PlayerCharacter)
ブループリントを作成したら、コンポーネントの設定を行います。主要なコンポーネントには以下のものがあります:
- Capsule Component:キャラクターの物理的な判定に使用
- Skeletal Mesh:キャラクターの見た目を定義
- Camera Component:プレイヤーの視点を制御
- Spring Arm:カメラの動きをスムーズにする
これらのコンポーネントを適切に設定することで、キャラクターの基本的な構造が完成します。
UE4のキャラクターアニメーション追加に関する公式ドキュメント(基本的な流れはUE5でも同様)
キャラクターの外見を決定するスケルタルメッシュの設定は、アニメーションの基礎となる重要なステップです。
1. ブループリントエディタの「コンポーネント」タブでMeshコンポーネントを選択
2. 「詳細」パネルの「Mesh」セクションで適切なスケルタルメッシュアセットを選択
3. 「Animation」セクションで「Use Animation Blueprint」を選択し、後で作成するアニメーションブループリントを指定
メッシュの向きや位置が正しくない場合は、トランスフォームの調整が必要です。特に、キャラクターの前方向(通常はX軸正方向)が正しく設定されていることを確認してください。
また、Capsule Componentのサイズもキャラクターのメッシュに合わせて調整します。これにより、物理的な判定とビジュアルが一致し、ゲームプレイ中の違和感を減らすことができます。
UE5でのキャラクターアニメーション設定は、主にアニメーションブループリントを通じて行います。以下の手順で基本的なアニメーション制御を実装できます:
1. コンテンツブラウザで「アニメーション」→「アニメーションブループリント」を選択
2. 使用するスケルトンを指定して新規アニメーションブループリントを作成
3. アニメーションブループリントのイベントグラフで、キャラクターの状態を取得する処理を実装
4. アニメーショングラフでステートマシンを作成し、各状態(待機、歩行、走行など)に対応するアニメーションを設定
5. ブレンドスペースを活用して、方向や速度に応じたスムーズなアニメーション遷移を実現
特に、ブレンドスペースの活用は重要です。これにより、キャラクターの移動方向や速度に応じて、複数のアニメーションをスムーズにブレンドすることができます。
UE5では、IK(Inverse Kinematics)リグとリターゲットという強力な機能が導入されました。これらを活用することで、アニメーションの再利用性と柔軟性が大幅に向上します。
IKリグの主な利点:
- 異なるスケルトン構造間でのアニメーション転送が容易に
- ランタイムでのポーズ調整が可能
- 環境に応じた動的なアニメーション調整(例:傾斜地での足の位置合わせ)
リターゲットの活用手順:
1. ソースキャラクターのIKリグを作成
2. ターゲットキャラクターのIKリグを作成
3. リターゲットアセットを作成し、ソースとターゲットのIKリグをマッピング
4. アニメーションシーケンスをリターゲットして新しいアニメーションを生成
この技術を使うことで、一度作成したアニメーションを異なるキャラクターモデルに効率的に適用できます。これは特に、多数のキャラクターバリエーションを持つゲームプロジェクトで非常に有用です。
キャラクターの移動制御は、スムーズなゲームプレイ体験を提供する上で重要です。UE5では、Character Movement Componentを活用することで、高度な移動制御を実現できます。
主要な移動制御テクニック:
1. 入力マッピング:
- Project Settings → Input で、移動に関する入力をマッピング
- 前後左右の移動、ジャンプなどの基本操作を設定
2. ブループリントでの移動処理:
- Event Graphで入力イベントを受け取り、Add Movementノードを使用
- Character Movement Componentの各種パラメータ(MaxWalkSpeed, JumpZVelocityなど)を調整
3. 高度な移動機能の実装:
- 壁走り:Trace by Channelを使用して壁の検出
- ダッシュ:タイムラインと組み合わせて一時的な速度上昇を実装
- 二段ジャンプ:カスタム変数とイベントを使用して実装
4. アニメーションとの連携:
- 移動速度や方向に基づいてアニメーションステートを切り替え
- ブレンドスペースを活用してスムーズな遷移を実現
5. ネットワーク対応:
- Replicatedフラグを使用して、重要な変数をネットワーク同期
- Server-side movementを考慮したロジック設計
これらのテクニックを組み合わせることで、プロジェクトの要件に合わせた柔軟な移動制御システムを構築できます。特に、Character Movement Componentの詳細な設定を理解し、プロジェクトに最適化することが重要です。
また、UE5の新機能であるEnhanced Input Systemを活用することで、より柔軟で拡張性の高い入力システムを構築できます。これにより、複雑な入力シーケンスや、プラットフォーム固有の入力にも対応しやすくなります。
UE5のEnhanced Input Systemに関する公式ドキュメント
最後に、パフォーマンスの観点からも移動制御を最適化することが重要です。特に、オンラインマルチプレイヤーゲームでは、ネットワーク帯域幅の使用を最小限に抑えつつ、スムーズな動きを実現する必要があります。これには、適切なネットワークの更新頻度の設定や、クライアント側予測の実装などが含まれます。
UE5でキャラクターアニメーションを設定する際は、これらの要素を総合的に考慮し、プロジェクトの要件に合わせて最適な実装を選択することが重要です。基本的な設定から高度なテクニックまで、段階的に理解を深めていくことで、より洗練されたキャラクター制御システムを構築できるでしょう。
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