UE5 セルルックの基本とアウトライン表現

UE5 セルルックの実装方法

UE5でセルルックを実現する3つの方法
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Unlitシェーダー

マテリアル内で独自のライティング計算を行う

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ポストプロセス

画面全体にエフェクトを適用してセルルック風に

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エンジン改造

UE5のソースコードを直接編集して独自のシェーディングを実装

 

 

UE5のUnlitシェーダーでセルルックを作成する手順

UE5でセルルックを実現する最も基本的な方法は、Unlitシェーダーを使用することです。この手法では、UE5の標準的なライティング計算を使用せず、マテリアル内で独自のライティングを実装します。

 

手順は以下の通りです:

 

1. 新規マテリアルを作成し、シェーディングモデルを「Unlit」に設定
2. ライトベクトルとサーフェイスノーマルの内積を計算
3. 段階的な色の変化を実現するためのステップ関数を作成
4. ベースカラーと影色を設定し、ステップ関数の結果に基づいて補間

 

この方法の利点は、マテリアルごとに細かい調整が可能な点です。一方で、UE5の標準的なライティング機能や影の計算を利用できないというデメリットがあります。

 

UE4 誰でもわかるセルシェーダー入門 - Let's Enjoy Unreal Engine
このリンクでは、Unlitシェーダーを使用したセルシェーディングの基本的な実装方法が詳しく解説されています。

 

 

UE5のポストエフェクトを活用したセルルック表現

ポストプロセスマテリアルを使用したセルルック表現は、画面全体にエフェクトを適用することで、セルアニメ風の見た目を実現する方法です。この手法は、UE5の標準的なライティング計算を活かしつつ、セルルックを表現できる点が特徴です。

 

実装手順:

 

1. ポストプロセスマテリアルを新規作成
2. SceneTextureを使用して、深度やノーマル情報を取得
3. エッジ検出アルゴリズムを実装し、輪郭線を描画
4. カラーの量子化処理を行い、セル調の色表現を実現

 

この方法の利点は、既存のシーンに対して簡単にセルルック効果を適用できる点です。ただし、オブジェクトごとに細かい調整を行うことは難しいという制限があります。

 

第2回:セルシェーディングの様々な表現 | UE5で ... - CGWORLD.jp
このリンクでは、UE5でのポストプロセスを使用したセルシェーディングの実装方法が詳細に解説されています。

 

 

UE5でセルルックとPBRを融合させる技術

最近のゲーム開発では、セルルックとフォトリアリスティックな表現を組み合わせるハイブリッドアプローチが注目されています。UE5では、Lumenやナナイトなどの最新技術を活用しつつ、セルルック表現を実現することが可能です。

 

実装のポイント:

 

1. カスタムシェーディングモデルの作成
2. G-Bufferへの独自データの書き込み
3. ディファードレンダリングパスでのカスタム処理の実装
4. Lumenとの互換性を考慮したマテリアル設定

 

この手法は、『アイドルマスター スターリットシーズン』などの商用タイトルでも採用されており、高品質なセルルック表現と最新のレンダリング技術の融合を実現しています。

 

Unreal Engineでセルアニメ調のキャラクターを表現をするための挑戦。『アイドルマスター スターリットシーズン』開発事例紹介【UNREAL FEST 2022】
このリンクでは、商用タイトルでのセルルックとPBRの融合技術について詳細な解説がされています。

 

 

UE5でアウトラインを描画するマテリアル設定

セルルック表現において、アウトラインは非常に重要な要素です。UE5では、主に以下の2つの方法でアウトラインを実装することができます。

 

1. 背面ポリゴン法
- メッシュを複製し、法線を反転させて拡大
- 黒色などでレンダリングしてアウトラインとして使用

 

2. ポストプロセス法
- 深度やノーマルの差分を利用してエッジを検出
- 検出されたエッジ部分にアウトラインを描画

 

背面ポリゴン法の実装手順:

 

1. メッシュを複製し、アウトライン用のコンポーネントを作成
2. アウトライン用マテリアルを作成し、ワールド位置オフセットで拡大
3. Two Sidedをオンにし、裏面も描画されるように設定
4. アウトラインの太さや色をパラメータ化して調整可能に

 

この方法は、オブジェクトごとに細かい調整が可能ですが、ポリゴン数が増えるためパフォーマンスに影響を与える可能性があります。

 

UE4 誰でもわかるアウトライン入門 - Let's Enjoy Unreal Engine
このリンクでは、UE4/UE5でのアウトライン実装の詳細な手順が解説されています。

 

 

UE5のセルルックで天使の輪を表現する方法

セルルックキャラクターの表現を豊かにする要素として、「天使の輪」のような発光エフェクトがあります。UE5では、パーティクルシステムのNiagaraを使用して、この効果を簡単に実装することができます。

 

実装手順:

 

1. Niagaraシステムを新規作成
2. リングジオメトリを生成するモジュールを追加
3. エミッターの位置をキャラクターの頭上に固定
4. マテリアルを作成し、発光や透明度のアニメーションを設定

 

さらに、キャラクターの動きに合わせて天使の輪が自然に揺れるようにするには、以下の工夫が効果的です:

 

- キャラクターの頭部ボーンにNiagaraコンポーネントをアタッチ
- 物理シミュレーションを適用して、動きに遅延を持たせる
- カメラの向きに応じて天使の輪の向きを調整

 

この技術は、『DEATH STRANDING』のようなAAA級タイトルでも使用されており、セルルックキャラクターに魅力的な効果を加えることができます。

 

DeathStranding風ホログラムをUE5で再現してみる - HeyYo CG
このリンクでは、UE5でのホログラム効果の実装方法が詳しく解説されており、天使の輪の表現にも応用可能な技術が紹介されています。

 

セルルックの実装は、単にUnlitシェーダーを使用するだけでなく、ポストプロセス、カスタムシェーディングモデル、Niagara、そしてUE5の最新機能を組み合わせることで、より高度で魅力的な表現が可能になります。これらの技術を適切に組み合わせることで、プロジェクトの要求に合わせた最適なセルルック表現を実現することができるでしょう。

UE5でセルルックを実現する基本的な手法とアウトライン表現について解説します。Unlitシェーダーやポストエフェクトを使った表現方法を紹介しますが、どのような効果が得られるでしょうか?