Unreal Engine 5ではじめる! 3DCGゲームワールド制作入門
UE5のマテリアルエディタは、ゲーム開発者やデザイナーにとって強力なツールです。このエディタを使いこなすことで、リアルな表現からファンタジックな効果まで、幅広い視覚表現が可能になります。
まず、マテリアルエディタの基本的な操作方法から見ていきましょう。エディタを開くには、コンテンツブラウザで右クリックし、「マテリアル」を選択します。エディタ内では、ノードを配置し、それらを線で接続することでマテリアルを構築していきます。
主要なノードには以下のようなものがあります:
• Base Color:マテリアルの基本色を決定
• Metallic:金属的な質感を表現
• Roughness:表面の粗さを制御
• Normal:表面の凹凸を表現
• Emissive:自己発光を追加
これらのノードを適切に組み合わせることで、様々な材質を表現できます。例えば、Base ColorとMetallicを高く設定し、Roughnessを低くすれば、ピカピカの金属表面を作れます。
UE5マテリアルエディタの詳細な使い方については、以下の公式ドキュメントが参考になります。
マテリアルの表現力を高めるには、演算系ノードの理解が欠かせません。これらのノードを使いこなすことで、動的で複雑な効果を生み出すことができます。
よく使用される演算系ノードには以下のようなものがあります:
• Add:値を加算
• Subtract:値を減算
• Multiply:値を乗算
• Divide:値を除算
• Power:べき乗を計算
• Sine/Cosine:三角関数を使用した周期的な変化を作成
これらのノードを組み合わせることで、例えば時間経過に伴う色の変化や、オブジェクトの位置に応じたテクスチャの変形などが可能になります。
特に注目したいのは、Lerp(Linear Interpolation)ノードです。このノードを使うと、2つの値の間を滑らかに補間することができます。例えば、昼と夜の景色を徐々に変化させるような効果を簡単に作れます。
演算系ノードの詳細な使い方と応用例については、以下のQiitaの記事が非常に参考になります。
UE5では、より高度な表現を可能にする特殊なノードも用意されています。これらのノードを使いこなすことで、プロフェッショナルレベルの視覚効果を作り出すことができます。
注目すべき高度なノードには以下のようなものがあります:
• Fresnel:視角に応じた反射効果を作成
• Panner:テクスチャを自動的にスクロール
• WorldPositionOffset:頂点の位置を動的に変更
• ParticleColor:パーティクルシステムと連携
• CustomExpression:カスタムHLSLコードを記述
例えば、FresnelノードとEmissiveノードを組み合わせることで、オブジェクトのエッジが光るホログラム風の効果を簡単に作れます。また、WorldPositionOffsetノードを使えば、風になびく草や波打つ水面などの動的な効果を実現できます。
これらの高度なノードの使い方を習得することで、マテリアルの表現の幅が大きく広がります。ただし、過度に複雑なマテリアルはパフォーマンスに影響を与える可能性があるので、適切な最適化も重要です。
高度なマテリアル表現のテクニックについては、以下のUnreal Engine公式ドキュメントが詳しいです。
マテリアルの柔軟性を高めるために、パラメータとインスタンス化の概念を理解することが重要です。これらの機能を使いこなすことで、1つのマテリアルから多様なバリエーションを生み出すことができます。
マテリアルパラメータとは、マテリアル内で変更可能な値のことです。主なパラメータタイプには以下のようなものがあります:
• ScalarParameter:単一の数値
• VectorParameter:色や3D座標
• TextureParameter:テクスチャ参照
これらのパラメータを使用することで、マテリアルの再利用性が高まります。例えば、同じ構造のマテリアルで色だけを変えたい場合、Base ColorにVectorParameterを使用すれば、1つのマテリアルから多数の色違いを作成できます。
マテリアルインスタンスは、元となるマテリアル(親マテリアル)から作成される派生マテリアルです。インスタンスでは、親マテリアルで定義されたパラメータの値を変更できます。これにより、ゲーム中でも動的にマテリアルの外観を変更することが可能になります。
マテリアルインスタンスの作成方法:
インスタンス化を活用することで、メモリ使用量を抑えつつ、多様なマテリアルバリエーションを実現できます。
マテリアルパラメータとインスタンス化の詳細については、以下のUnreal Engine公式ドキュメントが参考になります。
ここまでの知識を踏まえて、実際のゲーム開発で役立つ実践的なテクニックをいくつか紹介します。これらのテクニックを応用することで、より魅力的で最適化されたマテリアルを作成できます。
複数のテクスチャやマテリアル特性を1つのマテリアルに組み合わせる技術です。RGBチャンネルを利用したマスクテクスチャを作成し、Lerp関数と組み合わせることで、1つのマテリアルで複数の材質を表現できます。
例:地形マテリアルで岩、土、草を混合
CubeMapテクスチャとReflectionCaptureActorを組み合わせることで、周囲の環境を反射するリアルな金属や光沢のある表面を作成できます。
WorldPositionOffsetノードとSine関数を使用して、時間とともに変化する頂点オフセットを作成します。これにより、風に揺れる草木の自然な動きを表現できます。
数学関数やノイズ関数を組み合わせて、完全にプロシージャルなテクスチャを生成できます。これは特に、広大な地形や宇宙空間などの表現に有効です。
• TextureSampleパラメータを使用して、低解像度と高解像度のテクスチャを切り替え
• DistanceFieldノードを利用して、遠距離ではシンプルな表現に切り替え
• マテリアル関数を活用して、複雑な計算を再利用可能なモジュールにカプセル化
これらのテクニックを適切に組み合わせることで、見た目の美しさとパフォーマンスのバランスが取れたマテリアルを作成できます。
実践的なマテリアル作成テクニックについては、以下のUnreal Engine公式ドキュメントが詳しく解説しています。
UE5のマテリアルシステムは非常に強力で、適切に使いこなすことで驚くほど多様な視覚表現が可能になります。基本的なノードの理解から始まり、高度なテクニックの習得、そして最適化まで、段階的に学んでいくことが重要です。
マテリアル作成は技術と芸術の融合であり、常に新しい表現方法を探求し続けることが大切です。UE5の公式ドキュメントやコミュニティフォーラムを活用し、最新の情報やテクニックをキャッチアップしていくことをおすすめします。
最後に、マテリアル作成において最も重要なのは、実際に手を動かして試行錯誤することです。理論を学ぶだけでなく、実践を通じて自分なりのワークフローを確立していくことで、より効率的で創造的なマテリアル制作が可能になるでしょう。
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