UE5 World Partitionの使い方と機能

UE5のWorld Partitionとは

UE5 World Partitionの概要
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大規模ワールド管理

広大なオープンワールドを効率的に管理・ストリーミング

🧩
自動分割システム

ワールドを自動的にグリッドセルに分割し、ロード最適化

🚀
パフォーマンス向上

必要な部分のみをロードし、メモリ使用量とロード時間を削減

 

UE5 World Partitionの基本概念と利点

UE5のWorld Partitionは、大規模なオープンワールドゲーム開発を革新的に変える機能です。この機能は、広大なゲームワールドを効率的に管理し、パフォーマンスを最適化するために設計されています。

 

World Partitionの主な特徴と利点は以下の通りです:

 

• 自動グリッド分割:ワールドを自動的に小さなグリッドセルに分割
• 動的ストリーミング:プレイヤーの位置に基づいて必要な部分のみをロード
• シームレスな編集:大規模ワールドでもスムーズな編集作業が可能
• メモリ使用量の最適化:必要なコンテンツのみをメモリにロード
• ロード時間の短縮:分割されたセルを効率的にストリーミング

 

World Partitionを使用することで、開発者はより大規模で詳細なオープンワールドを作成できるようになり、同時にゲームのパフォーマンスを維持することができます。

 

Unreal Engine の公式ドキュメント:World Partition の詳細な説明と設定方法

 

UE5 World Partitionとレベルストリーミングの比較

World PartitionはUE4までのレベルストリーミングを進化させた機能です。両者を比較すると、以下のような違いがあります:

  1. 管理方法
    • レベルストリーミング:手動でサブレベルを作成・管理
    • World Partition:自動的にグリッドセルに分割・管理
  2. ストリーミング制御
    • レベルストリーミング:開発者が明示的に制御
    • World Partition:プレイヤーの位置に基づいて自動的に制御
  3. 編集の容易さ
    • レベルストリーミング:サブレベル間の移動や編集に手間がかかる
    • World Partition:シームレスな編集が可能
  4. パフォーマンス
    • レベルストリーミング:大規模ワールドでは管理が複雑化
    • World Partition:自動最適化によりパフォーマンスが向上
  5. スケーラビリティ
    • レベルストリーミング:大規模化に限界がある
    • World Partition:より大規模なワールド作成に適している

 

World Partitionは特に大規模なオープンワールドゲームの開発において、レベルストリーミングよりも多くの利点を提供します。

 

Unreal Engine 公式ブログ:UE5の新機能としてのWorld Partitionの紹介

 

UE5 World Partitionを使用したオープンワールド開発

World Partitionを活用したオープンワールド開発では、以下のような手法や機能が重要になります:

  1. One File Per Actor (OFPA)
    • 各アクターを個別のファイルとして保存
    • 複数開発者による同時編集が容易に
  2. Data Layers
    • アクターをグループ化し、ストリーミングを制御
    • 特定のシナリオやゲームモード用のコンテンツ管理に有用
  3. HLOD (Hierarchical Level of Detail)
    • 遠距離表示用の低ポリゴンモデルを自動生成
    • パフォーマンスを維持しながら広大な景観を表現
  4. Landscape Streaming
    • 地形データを効率的にストリーミング
    • メモリ使用量を抑えつつ広大な地形を表現
  5. Foliage Streaming
    • 植生を動的にストリーミング
    • 自然豊かな環境を低負荷で実現

 

これらの機能を組み合わせることで、開発者はより効率的に大規模なオープンワールドを作成し、管理することができます。

 

YouTube動画:UE5のWorld Partitionの実践的な使用方法と設定のデモンストレーション

 

UE5 World Partitionのパフォーマンス最適化

World Partitionを使用する際、以下の点に注意してパフォーマンスを最適化することが重要です:

 

• グリッドセルサイズの調整
- 適切なサイズを設定し、ストリーミングの頻度とメモリ使用量のバランスを取る

 

• ストリーミング距離の最適化
- オブジェクトの重要度に応じてストリーミング距離を設定

 

• LOD (Level of Detail) の活用
- 遠距離のオブジェクトに対して低詳細度モデルを使用

 

• Naniteの併用
- 高詳細なジオメトリをリアルタイムで最適化

 

• ライティングの最適化
- 動的ライティングと静的ライティングを適切に使い分け

 

• アセットの最適化
- テクスチャサイズの調整やポリゴン数の削減

 

これらの最適化技術を適切に適用することで、World Partitionを使用した大規模ワールドでも高いパフォーマンスを維持することができます。

 

CEDEC 2022資料:UE5 City Sampleを用いた描画最適化テクニックの詳細解説

 

UE5 World Partitionの設定と有効化方法

World Partitionを使用するには、以下の手順で設定と有効化を行います:

  1. 新規レベルの作成時
    • [新規レベル] > [オープンワールド] テンプレートを選択
  2. 既存レベルの変換
    • [ツール] > [レベルの変換] を選択
    • World Partition設定を適用
  3. World Partition設定
    • [ワールド設定] パネルでWorld Partitionを有効化
    • グリッドセルサイズやストリーミング距離を調整
  4. Data Layersの設定
    • [World Partition] エディタでData Layersを作成・管理
    • アクターをData Layersに割り当て
  5. HLODの設定
    • [World Partition] エディタでHLOD設定を調整
    • 自動HLOD生成を実行
  6. ランタイムセルの設定
    • プレイヤー周辺のストリーミング範囲を調整
  7. パフォーマンステスト
    • エディタ内プレイやスタンドアロンモードでテスト実行

 

これらの設定を適切に行うことで、World Partitionの機能を最大限に活用できます。

 

開発者ブログ:既存レベルをWorld Partitionに変換する際の詳細な手順とトラブルシューティング

 

World Partitionは、UE5で大規模オープンワールドを開発する際の強力なツールです。適切に設定し活用することで、開発効率の向上とゲームパフォーマンスの最適化を同時に実現することができます。継続的な学習と実践を通じて、この革新的な機能を最大限に活用しましょう。

UE5のWorld Partitionの基本的な使い方と主要な機能について解説します。オープンワールドゲーム開発にどのように活用できるのでしょうか?