Unreal Engine 5.2から、Appleシリコン搭載のMacに対するネイティブサポートが実現しました。これにより、M1/M2チップを搭載したMacでもUnreal Engineを高速に動作させることが可能になりました。
Epic GamesのランチャーからダウンロードできるUnreal Engineは、ユニバーサルバイナリとして提供されています。つまり、IntelチップとAppleシリコンの両方に対応しており、使用しているMacのアーキテクチャに応じて適切なバージョンが自動的に選択されます。
Appleシリコン対応により、以下のメリットが得られます:
ただし、すべての機能が完全に対応しているわけではありません。一部の高度な機能には制限があります。
UE5のMac版には、いくつかの機能制限があります。主な制限事項は以下の通りです:
これらの制限は、将来のアップデートで改善される可能性があります。開発者は、これらの制限を考慮しながらプロジェクトを進める必要があります。
UE5をMacにインストールする手順は以下の通りです:
注意点:
インストール後、以下の設定を確認することで、パフォーマンスを向上させることができます:
Unreal Engine公式ドキュメント:インストールガイド
NaniteとLumenは、UE5の革新的な機能ですが、Mac版では一部制限があります。
Nanite:
Lumen:
Naniteを実験的に有効化する手順:
PLATFORM_MAC_ENABLE_EXPERIMENTAL_NANITE_SUPPORT=1
を設定spirv_msl.hpp
で UE_EXPERIMENTAL_MAC_NANITE_SUPPORT
を有効化bSupportsNanite=true
と bSupportsUInt64ImageAtomics=true
を設定
これらの設定は実験的なものであり、安定性が保証されていないことに注意してください。
UE5のMacOSでのNaniteとLumen対応に関する詳細情報
UE5のMac版でも高いパフォーマンスを得るためには、適切な最適化が必要です。以下に、パフォーマンス向上のためのヒントをいくつか紹介します:
r.Streaming.PoolSize
を適切な値に設定(例:VRAM上限の半分)
これらの最適化を適用することで、Mac版UE5のパフォーマンスを大幅に向上させることができます。ただし、プロジェクトの規模や複雑さによっては、Windows版と同等のパフォーマンスを得るのは難しい場合もあります。
UE5のMacパフォーマンス改善に関するRedditディスカッション
UE5のMac対応は着実に進んでいますが、まだ完全ではありません。開発者は、これらの制限や最適化の必要性を理解した上で、プロジェクトを進める必要があります。将来的には、AppleとEpic Gamesの継続的な努力により、さらなる改善が期待できるでしょう。
ac版UE5の利用を検討している開発者は、以下の点を考慮することをおすすめします:
適切な計画と最適化を行えば、Mac版UE5でも十分に魅力的なゲームや3Dアプリケーションを開発することが可能です。ただし、大規模なAAAタイトルの開発には、現時点ではWindowsマシンの方が適しているかもしれません。
最後に、UE5のMac対応は急速に進化しています。定期的に公式ドキュメントやフォーラムをチェックし、最新の情報を入手することをお勧めします。技術の進歩とともに、Mac版UE5の可能性はさらに広がっていくことでしょう。
UE5のMac対応とAppleシリコン開発環境について解説します。ネイティブサポートや機能制限、インストール方法など、最新の情報を詳しく紹介します。UE5でMac開発を始めてみませんか?