Unreal Engine 5ではじめる! 3DCGゲームワールド制作入門
Gameplay Ability System(GAS)は、Unreal Engine 5で提供される強力なフレームワークです。このシステムを使用することで、複雑なゲームプレイ機能を効率的に実装できます。GASの主な特徴は以下の通りです:
• 柔軟なアビリティ設計:様々なゲームプレイ要素を「アビリティ」として定義可能
• タグベースの状態管理:GameplayTagを使用して、ゲーム状態を効率的に管理
• 属性システム:キャラクターの能力値をAttributeSetで管理
• ネットワーク対応:マルチプレイヤーゲームでの同期をサポート
GASを使用することで、RPGのスキルシステムやMOBAのヒーロー能力など、複雑なゲームプレイ要素を効率的に実装できます。
実装の際は、以下の点に注意しましょう:
• タグの適切な使用:アビリティの状態管理にGameplayTagを活用
• ネットワーク同期:Replicatedキーワードを使用して必要な変数を同期
• パフォーマンス最適化:不要なチェックや計算を避け、効率的な実装を心がける
GameplayTagは、GASの中核を成す重要な機能です。適切に活用することで、ゲームの状態管理や条件分岐を効率的に行えます。
タグの設計ポイント:
タグの活用例:
• 状態管理:「Stunned」「Invisible」などの状態をタグで表現
• アビリティ分類:「Ability.Attack.Melee」「Ability.Spell.Fire」など
• 条件チェック:HasMatchingGameplayTag関数でタグの存在をチェック
意外な使い方:
• アイテム管理:インベントリ内のアイテムタイプをタグで分類
• クエスト進行:クエストの進行状況をタグで管理
• AI行動決定:AIの行動パターンをタグベースで決定
GameplayTagの詳細な使用方法と設計のベストプラクティス
GASはC++での実装が基本ですが、Blueprintとの連携も重要です。以下のテクニックを活用することで、より柔軟な開発が可能になります:
実装例:
UCLASS()
class MYGAME_API UMyAbilityBlueprintLibrary : public UBlueprintFunctionLibrary
{
GENERATED_BODY()
public
UFUNCTION(BlueprintCallable, Category = "MyGame|Abilities")
static void ApplyComplexGameplayEffect(AActor* Target, TSubclassOf}
このような関数をBlueprintから呼び出すことで、複雑なロジックをC++で管理しつつ、柔軟な調整をBlueprintで行えます。
GASとBlueprintの連携テクニックについての詳細な解説と実装例
GASを活用したコンボシステムの実装は、多くのアクションゲームで求められる機能です。以下に、基本的な実装手順と注意点を示します:
実装のポイント:
• 入力バッファリング:次の入力を一定時間記憶し、自然なコンボ繋がりを実現
• ヒットストップ:攻撃ヒット時に一瞬動きを止め、攻撃の重みを演出
• コンボカウンター:UI表示用にコンボ数をAttributeSetで管理
意外な活用法:
• 環境とのインタラクション:コンボの途中で環境オブジェクトを利用した特殊攻撃
• AI対応:同じコンボシステムをAIキャラクターにも適用し、多彩な攻撃パターンを実現
以上が、UE5 GASを使ったアビリティシステムの実装方法の概要です。GASは非常に強力なツールですが、学習曲線が急な面もあります。しかし、一度習得すれば、複雑なゲームプレイ機能を効率的に実装できるようになります。実際の開発では、プロジェクトの規模や要件に応じて、GASの機能を適切に選択し、カスタマイズしていくことが重要です。
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