「宴」は、Unityを使用してビジュアルノベルゲームを簡単に作成できるツールです。このツールの特徴は、複雑なプログラミング知識がなくても、エクセルを使って直感的にシナリオを作成できる点にあります。Unityの強みを活かし、PCだけでなくスマートフォンやブラウザ向けのアプリ開発も可能となっています。
宴を使用したビジュアルノベル制作の基本的な流れは以下のようになります:
宴の特徴的な点は、エクセルを使用してシナリオを作成できることです。これにより、プログラミングに不慣れな作家やシナリオライターでも、直感的にストーリーを組み立てることができます。
宴のシナリオ作成に関する詳細なチュートリアルはこちらで確認できます:
Unity用ビジュアルノベルツール「宴」チュートリアル
宴はUnityのプラグインとして機能するため、Unityの持つマルチプラットフォーム対応の特性を活かすことができます。スマートフォン向けゲーム開発では以下の点に注意が必要です:
• 画面サイズの最適化
• タッチ操作への対応
• パフォーマンスの最適化
• アプリストアへの対応
宴では、これらの要素を考慮したテンプレートUIが用意されており、開発者の負担を軽減しています。さらに、最新のバージョンでは、TextMeshProへの正式対応や、新しいレンダリングパイプラインへの対応など、モバイル開発に有利な機能が追加されています。
宴の最新アップデート情報はこちらで確認できます:
Unity用ビジュアルノベルツール「宴」、6年ぶりのメジャーアップデート情報
宴では、豊富なテキストタグを使用することで、テキスト表示に様々な演出を加えることができます。主な表現テクニックには以下のようなものがあります:
• ルビ振り:漢字の読み方を小さな文字で表示
• 文字色変更:特定の単語や文章を強調
• 文字サイズ変更:重要な部分を大きく表示
• 絵文字挿入:テキスト中に小さなアイコンを表示
• 文字送り速度の調整:緊張感のある場面でゆっくり表示など
これらのテキストタグを駆使することで、単調になりがちなテキスト表示に変化をつけ、読者の興味を引き付けることができます。
さらに、宴の最新バージョンでは、TextMeshProへの対応が強化され、より高度なテキスト表現が可能になっています。日本語、簡体字、繁体字、ハングルに対応したNotoSansフォントが標準で組み込まれ、多言語対応も容易になりました。
宴では、エクセルファイルを使用してシナリオを管理します。この方式には以下のような利点があります:
• 直感的な編集が可能
• 大量のテキストデータを効率的に管理
• 分岐や条件分岐の実装が容易
シナリオの分岐は、エクセル上で特定のコマンドを使用することで実装できます。例えば、選択肢による分岐、フラグによる条件分岐、ランダム分岐などが可能です。
また、宴では複数のシナリオファイルを使用して、章ごとに管理することもできます。これにより、長編作品の制作や、複数の作家が同時に作業を行う際の管理が容易になります。
シナリオファイルの管理と分岐の実装に関する詳細な情報はこちらで確認できます:
宴を使用したシナリオパート制作フロー - Aiming 開発者ブログ
宴は、純粋なビジュアルノベルゲームの制作だけでなく、様々なジャンルのゲームにおける会話シーンの実装にも活用できます。以下のような活用シーンが考えられます:
• RPGの会話イベント
• アドベンチャーゲームの調査シーン
• シミュレーションゲームのストーリーパート
• パズルゲームの幕間ストーリー
宴の特徴として、Unityのプログラムと連携するためのカスタム機能が用意されています。これにより、宴で作成した会話システムを既存のゲームシステムに組み込むことが可能です。
また、宴にはシーン回想やCG回想、サウンドルームなどのギャラリー機能も簡単に実装できる機能が備わっています。これらの機能を活用することで、ゲームの付加価値を高めることができます。
さらに、宴はダウンロード機能を備えており、シナリオ、画像、サウンドの各ファイルをサーバーからダウンロードすることができます。これにより、ゲームの初期容量を抑えつつ、追加コンテンツの配信が容易になります。
宴の詳細な機能や活用方法については、公式サイトで確認できます:
Unity用ビジュアルノベルツール「宴」公式サイト
以上のように、宴はUnityを使用したビジュアルノベル制作を大幅に効率化するツールです。エクセルによる直感的なシナリオ作成、マルチプラットフォーム対応、豊富なテキスト表現機能、柔軟なシナリオ管理など、多くの特徴を持っています。
初心者からプロまで、幅広い開発者に活用されている宴は、2016年にはCEDEC AWARDS エンジニアリング部門で優秀賞を受賞するなど、その有用性が高く評価されています。Unityでのゲーム開発、特にストーリー重視のゲームを制作する際には、宴の導入を検討してみる価値があるでしょう。
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