Unity FixedUpdateとUpdateの違いと使い分け

Unity開発におけるFixedUpdateとUpdateの違いと適切な使い分けについて解説します。物理演算や入力処理、パフォーマンスへの影響など、重要なポイントを押さえていきます。あなたのゲーム開発スキルは向上するでしょうか?

Unity FixedUpdateとUpdateの違いと使い分け

Unity FixedUpdateとUpdateの主な違い
⏱️
呼び出し頻度

FixedUpdateは固定間隔、Updateはフレーム毎

🎮
主な用途

FixedUpdateは物理演算、Updateは入力処理

🔄
実行順序

FixedUpdateが先、その後にUpdate


マンガでわかる Unityゲーム開発入門

 

Unity FixedUpdateの特徴と物理演算での活用法

FixedUpdateは、Unityのスクリプトライフサイクルにおいて重要な役割を果たすメソッドです。このメソッドの最大の特徴は、固定の時間間隔で呼び出されることです。デフォルトでは0.02秒(50Hz)ごとに実行されますが、この間隔はプロジェクト設定で変更可能です。

 

FixedUpdateが物理演算に適している理由は、以下の通りです:

 

• 一定間隔での実行:物理演算は時間に依存するため、一定間隔での計算が重要です。
• フレームレート非依存:端末の性能に関わらず、同じ結果が得られます。
• 衝突検出の精度:一定間隔での処理により、衝突検出の精度が向上します。

 

物理演算でFixedUpdateを活用する際の具体例:

private Rigidbody rb

 

void Start()
{
rb = GetComponent}

 

void FixedUpdate()
{
// 物体に一定の力を加える
rb.AddForce(Vector3.forward * 10f)

 

// 物体の速度を制限する
rb.velocity = Vector3.ClampMagnitude(rb.velocity, 5f)
}

 

この例では、FixedUpdate内で物体に一定の力を加え、速度を制限しています。これにより、フレームレートに依存せず安定した物理挙動が実現できます。

 

Unityマニュアル:イベント関数の実行順序について詳しく解説されています。

 

Unity Updateの特徴と入力処理での使用方法

Updateメソッドは、毎フレーム呼び出されるメソッドです。フレームレートに依存するため、端末の性能によって呼び出し頻度が変わります。この特性から、Updateは主に以下のような用途に適しています:

 

• ユーザー入力の検出
• UI要素の更新
• ゲームロジックの処理
• カメラの移動

 

Updateでの入力処理の例:

void Update()

{
// キー入力の検出
if (Input.GetKeyDown(KeyCode.Space))
{
Jump()
}

 

// マウス入力の検出
if (Input.GetMouseButtonDown(0))
{
Shoot()
}

 

// 軸入力の検出(例:キャラクターの移動)
float horizontal = Input.GetAxis("Horizontal")
float vertical = Input.GetAxis("Vertical")
Move(horizontal, vertical)
}

 

この例では、Updateメソッド内でキーボード、マウス、そしてゲームパッドなどの入力を検出し、対応するアクションを実行しています。

 

UpdateメソッドとFixedUpdateメソッドの使い分けについて詳しく解説されています。

 

Unity FixedUpdateとUpdateのパフォーマンスへの影響

FixedUpdateとUpdateは、それぞれゲームのパフォーマンスに異なる影響を与えます。

 

FixedUpdateのパフォーマンス特性:

 

• 呼び出し頻度が一定のため、予測可能な負荷
• 物理演算の精度が高いが、過度に短い間隔設定は負荷増大の原因に
• フレームレートが低い環境でも安定した動作

 

Updateのパフォーマンス特性:

 

• フレームレートに依存するため、高性能端末では頻繁に呼び出される
• 軽量な処理に適しているが、重い処理を含むと不安定な動作の原因に
• 可変フレームレート環境での動作に適している

 

パフォーマンス最適化のためのヒント:

  1. FixedUpdateの間隔を適切に設定する
  2. 重い処理はコルーチンやJobSystemを使用して分散させる
  3. Updateでの処理はできるだけ軽量に保つ
  4. プロファイラーを使用して、ボトルネックを特定し最適化する
void FixedUpdate()

{
// 物理演算関連の処理のみを行う
ApplyForces()
CheckCollisions()
}

 

 

void Update()
{
// 軽量な処理のみを行う
UpdateUI()
CheckInput()
}

 

 

IEnumerator HeavyProcessCoroutine()
{
while (true)
{
PerformHeavyCalculation()
yield return new WaitForSeconds(0.1f)
}
}

 

UpdateとFixedUpdateの違いや使い分けについて、パフォーマンスの観点から詳しく解説されています。

 

Unity FixedUpdateとUpdateの適切な使い分け方

FixedUpdateとUpdateの適切な使い分けは、ゲームの安定性とパフォーマンスに大きく影響します。以下に、それぞれのメソッドの適切な使用シーンをまとめます:

 

FixedUpdateの適切な使用シーン:

 

• 物理演算を伴う処理(Rigidbodyの操作など)
• 一定間隔での処理が必要な場合(AI行動のティックなど)
• フレームレート非依存の挙動が求められる場合

 

Updateの適切な使用シーン:

 

• ユーザー入力の検出と処理
• UI要素の更新
• カメラの移動や回転
• フレームレートに依存しても問題ない一般的なゲームロジック

 

使い分けの具体例:

public class PlayerController : MonoBehaviour

{
private Rigidbody rb
private float moveSpeed = 5f
private float jumpForce = 10f

 

void Start()
{
rb = GetComponent}

 

void Update()
{
// 入力検出(Update内で行う)
float horizontalInput = Input.GetAxis("Horizontal")
float verticalInput = Input.GetAxis("Vertical")

 

// ジャンプ入力(Update内で行う)
if (Input.GetKeyDown(KeyCode.Space))
{
Jump()
}

 

// 移動ベクトルの計算(Update内で行う)
Vector3 movement = new Vector3(horizontalInput, 0f, verticalInput).normalized

 

// カメラの回転に合わせて移動方向を調整(Update内で行う)
movement = Camera.main.transform.TransformDirection(movement)
movement.y = 0f

 

// 実際の移動はFixedUpdate内で行うため、変数に保存
moveDirection = movement
}

 

private Vector3 moveDirection

 

void FixedUpdate()
{
// 物理演算を伴う移動(FixedUpdate内で行う)
rb.MovePosition(rb.position + moveDirection * moveSpeed * Time.fixedDeltaTime)
}

 

void Jump()
{
// ジャンプ力の適用(FixedUpdate内で行う必要はない)
rb.AddForce(Vector3.up * jumpForce, ForceMode.Impulse)
}
}

 

この例では、入力の検出とカメラに基づく移動方向の計算をUpdate内で行い、実際の物理演算を伴う移動処理をFixedUpdate内で行っています。これにより、入力の反応性を保ちつつ、物理演算の安定性も確保しています。

 

UnityのStart、Awake、Update、LateUpdate、FixedUpdateの違いと使い分けについて詳しく解説されています。

 

Unity FixedUpdateとUpdateの連携テクニック

FixedUpdateとUpdateを効果的に連携させることで、より洗練されたゲームプレイ体験を実現できます。以下に、いくつかの高度な連携テクニックを紹介します:

  1. 補間を用いた滑らかな動き

 

FixedUpdateでの物理演算結果をUpdateで補間することで、より滑らかな視覚効果を得られます。

public class SmoothMovement : MonoBehaviour

{
private Rigidbody rb
private Vector3 previousPosition
private Vector3 currentPosition

 

void Start()
{
rb = GetComponentpreviousPosition = rb.position
currentPosition = rb.position
}

 

void FixedUpdate()
{
previousPosition = currentPosition
currentPosition = rb.position
}

 

void Update()
{
float interpolation = (Time.time - Time.fixedTime) / Time.fixedDeltaTime
transform.position = Vector3.Lerp(previousPosition, currentPosition, interpolation)
}
}

  1. 入力バッファリング

 

Update内で検出した入力をFixedUpdateで処理することで、より正確な物理演算を実現できます。

public class InputBuffer : MonoBehaviour

{
private Queue inputBuffer = new Queue()

 

void Update()
{
Vector2 input = new Vector2(Input.GetAxisRaw("Horizontal"), Input.GetAxisRaw("Vertical"))
inputBuffer.Enqueue(input)
}

 

void FixedUpdate()
{
if (inputBuffer.Count > 0)
{
Vector2 input = inputBuffer.Dequeue()
ProcessInput(input)
}
}

 

void ProcessInput(Vector2 input)
{
// 物理演算を伴う入力処理
}
}

  1. 状態管理の分離

 

ゲームの状態管理をUpdateで行い、その状態に基づいた物理演算をFixedUpdateで行うことで、より柔軟なゲームロジックを実現できます。

public class GameStateManager : MonoBehaviour

{
public enum GameState { Idle, Running, Jumping }
public GameState currentState = GameState.Idle

 

void Update()
{
// 状態の更新
if (Input.GetKeyDown(KeyCode.Space) && currentState != GameState.Jumping)
{
currentState = GameState.Jumping
}
else if (Input.GetAxisRaw("Horizontal") != 0)
{
currentState = GameState.Running
}
else
{
currentState = GameState.Idle
}
}

 

void FixedUpdate()
{
// 状態に基づいた物理演算
switch (currentState)
{
case GameState.Idle
// アイドル状態の処理
break
case GameState.Running
// 走る状態の処理
break
case GameState.Jumping
// ジャンプ状態の処理
break
}
}
}

 

これらのテクニックを適切に組み合わせることで、FixedUpdateとUpdateの長所を最大限に活かしたゲーム開発が可能になります。ただし、過度に複雑な連携は逆にパフォーマンスの低下や予期せぬバグの原因となる可能性があるため、適切なバランスを保つことが重要です。

 

Unity1週間ゲームジャムでの実装テクニックについて、FixedUpdateとUpdateの使い方を含めて詳しく解説されています。

 

以上、UnityのFixedUpdateとUpdateの違いと使い分けについて、詳細に解説しました。これらのメソッドを適切に活用することで、より安定したゲームプレイ体験を提供できるでしょう。ゲーム開発の際は、常にパフォーマンスと動作の安定性を意識しながら、これらのメソッドを使い分けることが重要です。

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