blenderの座標系は、3DCG制作において非常に重要な概念です。blenderでは右手座標系を採用しており、これはUnityなど他のソフトウェアとは異なる点に注意が必要です。右手座標系では、右方向が+X、上方向が+Z、奥行き方向が+Yとなります。この基本的な座標系の理解は、オブジェクトの移動、回転、拡大縮小などの操作を正確に行う上で欠かせません。
座標系には主にグローバル座標系とローカル座標系の2種類があります。グローバル座標系はシーン全体の座標系を指し、ローカル座標系は個々のオブジェクトに固有の座標系を指します。これらの違いを理解することで、複雑なシーンでも効率的にオブジェクトを操作できるようになります。
blenderでの座標系の基本操作は、主にショートカットキーを使用して行います。以下に主要な操作方法をまとめます:
これらの操作は、オブジェクトモードでは選択したオブジェクト全体に適用され、編集モードでは選択した頂点やエッジ、フェイスに適用されます。
また、3Dビューのヘッダーにある「トランスフォーム方向」のドロップダウンメニューから、グローバル、ローカル、ビュー、ジンバルなどの座標系を切り替えることができます。これにより、状況に応じて最適な座標系を選択し、効率的に作業を進めることができます。
オブジェクトの移動と拡大は、blenderでの基本的な操作ですが、座標系の理解を深めることでより精密な制御が可能になります。
移動操作(G)を行う際、数値入力を組み合わせることで正確な位置決めができます。例えば、「G」「X」「5」と入力すると、X軸方向に5単位移動します。マイナス値を入力すれば逆方向に移動します。
拡大縮小操作(S)も同様に、数値入力と組み合わせることで精密な調整が可能です。「S」「2」と入力すれば、オブジェクトのサイズが2倍になります。
さらに、ALTキーを押しながら操作すると、オブジェクトの原点を基準にした移動や拡大縮小が行えます。これは、オブジェクトの中心が原点と異なる場合に特に有用です。
blenderの座標系を理解する上で、他のソフトウェアとの違いや注意点を把握することが重要です。
この違いにより、Blenderで作成したモデルをUnityにインポートする際、Y軸とZ軸が入れ替わることがあります。これを解決するには、Blenderでエクスポートする前にモデルを回転させるか、Unityでインポート後に調整する必要があります。
座標系を効果的に活用することで、blenderでの作業効率を大幅に向上させることができます。以下にいくつかの活用法とTipsを紹介します:
これらのテクニックを習得することで、より複雑なモデリングや精密な配置が可能になり、作品の質を向上させることができます。
座標系の理解は、blenderのモディファイアを効果的に使用する上でも重要です。モディファイアの多くは、オブジェクトの座標系に基づいて動作するため、座標系を正しく理解していないと意図しない結果になることがあります。
例えば、「Array(配列)」モディファイアを使用する際、オブジェクトの向きによって複製の方向が変わります。これは、モディファイアがオブジェクトのローカル座標系を基準にしているためです。同様に、「Mirror(ミラー)」モディファイアも、オブジェクトのローカル座標系に基づいて反転を行います。
「Lattice(格子)」モディファイアを使用する場合、格子オブジェクトの座標系がどのように設定されているかによって、変形の結果が大きく異なります。格子オブジェクトを回転させることで、変形の方向を制御できます。
これらのモディファイアを効果的に使用するためには、オブジェクトの座標系を常に意識し、必要に応じてオブジェクトの回転や原点の位置を調整することが重要です。
座標系とモディファイアの関係性をより深く理解するには、以下のリンクが参考になります:
Blender公式マニュアル:モディファイア
このリンクでは、各モディファイアの詳細な説明と、座標系との関連性について解説されています。
以上、blenderの座標系について詳しく解説しました。座標系の理解を深めることで、3DCGの制作プロセスがより直感的になり、複雑なモデリングや精密な配置も容易になります。初心者の方は基本的な操作から始め、徐々に高度なテクニックを習得していくことをおすすめします。座標系の知識は、blenderだけでなく、他の3DCGソフトウェアを使用する際にも役立つ普遍的なスキルです。継続的な練習と実践を通じて、座標系を自在に操る力を身につけていきましょう。
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