Blenderでレンダリング解像度を設定するには、まず出力プロパティパネルを開きます。このパネルは通常、画面右側にあるプロパティエディタ内にあります。出力プロパティパネルの上部に「解像度」セクションがあり、ここでX(横)とY(縦)の解像度を設定できます。
解像度はピクセル単位で指定します。一般的な設定例として、フルHD解像度である1920x1080ピクセルがよく使用されます。4K解像度を求める場合は、3840x2160ピクセルに設定します。
解像度を設定する際は、アスペクト比(縦横比)にも注意が必要です。一般的なアスペクト比には16:9や4:3などがあります。アスペクト比を維持したまま解像度を変更したい場合は、「解像度」セクションにある「%」の値を調整します。これにより、XとYの比率を保ちながら全体的な解像度を変更できます。
解像度を高く設定すると、より詳細な画像が得られますが、レンダリング時間も長くなります。例えば、4K解像度(3840x2160)は、フルHD解像度(1920x1080)の4倍のピクセル数があるため、レンダリング時間も大幅に増加します。
プロジェクトの要求や使用可能な時間、コンピューターの性能に応じて、適切な解像度を選択することが重要です。テスト段階では低解像度で素早くレンダリングし、最終出力時に高解像度に切り替えるのが効率的な作業方法です。
Blenderには、よく使用される解像度のプリセットが用意されています。出力プロパティパネルの「フォーマット」タブの右側にあるプリセットアイコンをクリックすると、様々な解像度プリセットが表示されます。
これらのプリセットには、HDTV 1080p(1920x1080)、4K UHDTV(3840x2160)などが含まれています。プリセットを使用すると、解像度だけでなく、ピクセルアスペクト比やフレームレートなども自動的に設定されるため、特定の出力形式に合わせた設定が簡単に行えます。
GPUレンダリングを使用する場合、解像度設定はさらに重要になります。GPUのVRAM(ビデオメモリ)容量によっては、高解像度のレンダリングが制限される可能性があります。
GPUレンダリングを最適化するには、以下の点に注意しましょう:
GPUレンダリングの詳細設定については、以下の公式ドキュメントが参考になります。
解像度を高くするだけでなく、サンプリング数も重要な要素です。サンプリング数は、各ピクセルの色を計算するために使用されるサンプル(光線)の数を指します。サンプリング数を増やすと、ノイズが減少し画質が向上しますが、レンダリング時間も長くなります。
高解像度レンダリングでは、サンプリング数を適切に調整することで、効率的に高品質な結果を得られます。例えば、解像度を2倍にする場合、サンプリング数を半分に減らしても、同等以上の品質が得られることがあります。
高解像度レンダリングでは、ノイズ除去(デノイジング)技術の活用が効果的です。Blenderには、AIを活用したデノイザーが組み込まれており、低サンプル数でも高品質な結果を得られます。
デノイザーを使用する場合、以下の点に注意しましょう:
デノイジング技術の詳細については、以下のBlender公式ドキュメントが参考になります。
高解像度レンダリングを行う際は、適切な出力フォーマットの選択も重要です。一般的に使用されるフォーマットには以下があります:
高解像度画像の場合、PNGやOpenEXRを使用することで、画質の劣化を最小限に抑えられます。ただし、ファイルサイズが大きくなるため、ストレージ容量に注意が必要です。
高解像度レンダリングでは、マルチレイヤーレンダリングを活用することで、後処理の柔軟性を高められます。これにより、色調補正やエフェクト追加などの編集が容易になります。
マルチレイヤーレンダリングでは、以下のレイヤーを別々に出力することが一般的です:
これらのレイヤーを個別に高解像度でレンダリングし、後処理ソフトウェアで合成することで、より細かな調整が可能になります。
マルチレイヤーレンダリングの設定方法については、以下のチュートリアルが参考になります。
Blender Guru - リアルなテクスチャリングの秘訣
高解像度レンダリングを効率的に行うには、レンダーボーダー機能を活用しましょう。レンダーボーダーを使用すると、画面の特定の領域のみをレンダリングできるため、テスト段階での時間短縮に役立ちます。
レンダーボーダーの使用手順:
この方法で部分的なテストレンダリングを行い、満足できる結果が得られたら、全体の高解像度レンダリングを実行します。
高解像度レンダリングでは、テクスチャの管理も重要です。不必要に高解像度のテクスチャを使用すると、メモリ使用量が増加し、レンダリング時間が長くなります。
テクスチャ最適化のポイント:
これらの技術を適切に使用することで、高解像度レンダリングの効率を大幅に向上させることができます。
非常に高解像度のレンダリングや複雑なシーンの場合、個人のコンピューターでは処理に長時間かかることがあります。そのような場合、レンダーファームの利用を検討するのも一つの選択肢です。
レンダーファームのメリット:
ただし、レンダーファームの使用にはコストがかかるため、プロジェクトの規模や納期、予算に応じて判断する必要があります。
レンダーファームサービスの例としては、SheepIt Render FarmやRenderStreetなどがあります。これらのサービスはBlenderプロジェクトに対応しており、高解像度レンダリングを効率的に行うことができます。
SheepIt Render Farm - 無料のBlenderレンダーファーム
以上、Blenderでのレンダリング解像度に関する高度な設定と最適化テクニックについて解説しました。これらの知識を活用することで、より効率的に高品質な3DCG作品を制作することができるでしょう。解像度設定は作品の品質に直結する重要な要素ですので、プロジェクトの要求に応じて適切に調整していくことが大切です。
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