Blenderの剛体シミュレーションは、3DCGアニメーションに物理的なリアリズムを加える強力なツールです。この機能を使うことで、オブジェクトの落下、衝突、転がりなどの自然な動きを簡単に再現できます。
剛体シミュレーションの中心となるのが「リジッドボディ」です。リジッドボディとは、変形しない固い物体のことを指します。Blenderでは、メッシュオブジェクトにリジッドボディ属性を付与することで、物理演算の対象にすることができます。
リジッドボディの設定は以下の手順で行います:
主な設定項目には、質量、摩擦、反発係数などがあります。これらの値を調整することで、オブジェクトの挙動を細かくコントロールできます。
リジッドボディには「アクティブ」と「パッシブ」の2種類があります:
例えば、落下するボールはアクティブ、それを受け止める地面はパッシブとして設定します。この組み合わせにより、様々な物理シーンを構築できます。
コリジョンシェイプは、物理演算時にオブジェクトの形状をどのように扱うかを決定します。主なオプションには:
複雑な形状の場合、メッシュを選択すると正確なシミュレーションが可能ですが、計算負荷が高くなります。シンプルな形状では、ボックスやスフィアを選択することで、パフォーマンスを向上させることができます。
シミュレーション結果をキーフレームとして保存する「ベイキング」は、複雑なシーンの編集や再現性の向上に役立ちます。ベイキングの手順は以下の通りです:
ベイキングすることで、シミュレーション結果が各フレームにキーフレームとして保存されます。これにより、再計算の必要なく高速に再生できるようになり、微調整も容易になります。
剛体シミュレーションを応用すると、破壊表現も可能になります。これには「セルフラクチャ」モディファイアを組み合わせて使用します。セルフラクチャを使うと、オブジェクトを小さな破片に分割し、それぞれにリジッドボディ属性を付与することができます。
破壊シミュレーションの基本的な手順:
この技術を使うことで、建物の崩壊や物体の粉砕など、ダイナミックな破壊シーンを作成できます。
破壊シミュレーションについての詳細は以下のリンクが参考になります:
Blender公式マニュアル - リジッドボディワールド
剛体シミュレーションの基本を押さえたら、より高度なテクニックを学ぶことで、表現の幅が大きく広がります。ここでは、応用的な使い方をいくつか紹介します。
コンストレイントは、リジッドボディ同士を接続し、その動きに制限を加える機能です。主なコンストレイントタイプには以下があります:
これらを使うことで、機械の部品や関節を持つキャラクターなど、複雑な動きを持つオブジェクトをシミュレートできます。
コンストレイントの設定手順:
フォースフィールドは、リジッドボディに外力を加える機能です。これを使うことで、風や重力、磁力などの影響をシミュレートできます。
主なフォースフィールドタイプ:
フォースフィールドの設定手順:
フォースフィールドを使うことで、より自然で複雑な動きを簡単に実現できます。例えば、風に舞う落ち葉や、磁石に引き寄せられる金属片などの表現が可能になります。
剛体シミュレーションは、キーフレームアニメーションと組み合わせることで、より高度な表現が可能になります。例えば:
この方法を使うことで、意図した動きと物理的なリアリズムを両立させることができます。
アニメーションと剛体シミュレーションの融合手順:
この技術を使えば、例えば、キャラクターが投げた物体が物理演算で自然に落下し、その後再びアニメーションでコントロールされるといった複雑な動きを作成できます。
複雑な剛体シミュレーションは、計算負荷が高くなる傾向があります。パフォーマンスを向上させるためのコツをいくつか紹介します:
これらの最適化テクニックを適切に組み合わせることで、複雑なシーンでもスムーズな剛体シミュレーションを実現できます。
剛体シミュレーションを行う際、しばしば予期せぬ問題に遭遇することがあります。ここでは、よくある問題とその解決策を紹介します:
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