Blenderにおける伝播(Transmission)は、物質内部での光の透過を表現するための重要な機能です。この設定を適切に行うことで、ガラスや液体などの透明感のある素材をリアルに表現することができます。
伝播の値は0から1の間で設定でき、値が大きいほど物質内部を光が通りやすくなります。例えば、完全に透明なガラスの場合は1.0に設定します。一方、半透明の素材では0.5前後の値を使用することが多いです。
Blenderでは、プリンシプルBSDF(Bidirectional Scattering Distribution Function)ノードを使用して伝播を設定します。以下の手順で設定を行います:
伝播の値を上げると、オブジェクトが透明になっていくのが確認できます。ただし、完全に透明にするには他の設定も必要です。
伝播と密接に関連する設定として、IOR(Index of Refraction、屈折率)があります。IORは物質中での光の屈折の度合いを示す値で、伝播と組み合わせることでより現実的な透明感を表現できます。
一般的なIORの値:
IORを適切に設定することで、物質特有の光の屈折を再現し、よりリアルな見た目を実現できます。
BlenderにはCyclesとEeveeという2つの主要なレンダリングエンジンがあり、伝播の表現に違いがあります。
Cycles
Eevee
透明感のある素材を正確に表現したい場合は、Cyclesの使用をおすすめします。ただし、プレビューや軽量な作業にはEeveeも有用です。
伝播機能を活用することで、単純な透明感だけでなく、複雑なマテリアル表現も可能になります。以下はいくつかの応用テクニックです:
これらのテクニックを組み合わせることで、より複雑で魅力的なマテリアルを作成することができます。
Blender公式ドキュメントのプリンシプルBSDFに関する詳細情報
プリンシプルBSDFの各パラメータの詳細な説明と使用方法が記載されています。伝播の設定に関する公式の情報源として参考になります。
リアルなガラスマテリアルを作成するには、以下のステップを踏むことをおすすめします:
これらの設定を行うことで、基本的なガラスの質感を再現できます。さらに、ノイズテクスチャを使って微細な傷や汚れを追加すると、よりリアルな表現が可能です。
水や他の液体を表現する際も、伝播機能は重要な役割を果たします。以下のテクニックを活用してみましょう:
これらのテクニックを組み合わせることで、様々な種類の液体を表現することができます。
伝播を使用してガラスや液体を表現する際、いくつかの注意点があります:
これらの問題に遭遇した場合は、設定を見直すとともに、Blenderのコミュニティフォーラムなどで最新の情報を確認することをおすすめします。
伝播機能は、単にガラスや液体を表現するだけでなく、創造的なマテリアル表現にも活用できます。以下はいくつかのアイデアです:
これらのテクニックを実験し、独自のマテリアルを開発することで、作品に独特の魅力を加えることができます。
透明度や伝播に関する具体的な問題とその解決策が多数掲載されています。実践的なトラブルシューティングの参考になります。
以上、Blenderの伝播機能を使ったガラスと液体の表現方法について解説しました。これらのテクニックを活用し、さらに独自のアイデアを加えることで、魅力的で独創的なマテリアル表現が可能になります。実際に試してみて、自分だけの表現を見つけてみてはいかがでしょうか。
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