Blender Workbenchとは レンダリング エンジン

Blender WorkbenchはBlenderに搭載されたレンダリングエンジンの1つです。高速なプレビュー表示に特化していますが、その特徴や使い方をご存知でしょうか?

Blender Workbenchの特徴と使い方

Blender Workbenchの概要
🚀
高速レンダリング

3Dビューポートでの表示に最適化

🎨
シンプルな設定

複雑な設定不要で簡単に使用可能

👁️
プレビュー向け

モデリングやアニメーション作業中の確認に最適

Blender Workbenchのレンダリング設定

Blender Workbenchは、3Dビューポートでの表示に特化したレンダリングエンジンです。レンダリング設定は非常にシンプルで、主に以下の項目を調整できます:

  • 照明:フラット、スタジオ、マットキャップから選択
  • カラー:シングル、マテリアル、テクスチャ、アトリビュートなど
  • シェーディング:ソリッド、ワイヤーフレーム、マットキャップなど

 

これらの設定は、レンダープロパティパネルで簡単に変更できます。Workbenchの特徴として、設定変更がリアルタイムで反映されるため、素早く結果を確認できます。

Blender Workbenchの使用シーン

Workbenchレンダリングエンジンは、以下のような場面で特に有用です:

  1. モデリング中の形状確認
  2. アニメーションのプレビュー
  3. 3Dプリント用モデルの確認
  4. コンセプトアートやスケッチの下書き

 

特に、複雑な光源計算や材質表現が不要な場合に、高速なレンダリングが可能なWorkbenchは重宝します。

Blender Workbenchとマスクレンダリング

Workbenchエンジンを使用して、コンポジット用のマスク画像を簡単に作成できます。以下の手順で設定します:

  1. レンダラーを「Workbench」に変更
  2. 照明を「フラット」に設定
  3. カラーを「ランダム」に設定
  4. カラーマネジメントの「カーブを使用」にチェックを入れ、下向きカーブを作成

 

この設定により、オブジェクトごとに異なる色でレンダリングされたマスク画像を生成できます。

 

Workbenchを使用したマスクレンダリングの詳細手順

Blender WorkbenchとEevee、Cyclesの比較

Blenderには主要なレンダリングエンジンとして、Workbench、Eevee、Cyclesがあります。それぞれの特徴を比較してみましょう:

エンジン 速度 品質 主な用途
Workbench 超高速 プレビュー、モデリング中の確認
Eevee 高速 中~高 リアルタイムレンダリング、ゲーム開発
Cycles 低速 超高 フォトリアリスティックな最終レンダリング

 

Workbenchは速度重視のエンジンであり、最終的な画像出力には向いていません。一方、EeveeとCyclesは最終レンダリングに使用されますが、要求される品質と処理時間のバランスによって選択します。

Blender Workbenchの隠れた活用法

Workbenchエンジンには、あまり知られていない活用法もあります:

  1. クレイレンダリング: マットキャップ設定を使用して、クレイモデルのような表現が可能です。
  2. ワイヤーフレーム表示: モデルの構造を確認する際に便利です。
  3. カラーアトリビュート可視化: 頂点カラーやUV情報の確認に使用できます。
  4. シルエット表示: キャラクターデザインの初期段階で役立ちます。

 

これらの機能を活用することで、Workbenchはモデリングやデザインプロセスをより効率的にサポートします。

 

Blender公式マニュアル: Workbenchエンジンの詳細な機能説明

Blender Workbenchの活用テクニック

Blender Workbenchでのライティング設定

 

Workbenchエンジンでは、ライティングの設定も簡単に行えます。主に以下の3つのオプションがあります:

  1. フラット: 影のない均一な照明
  2. スタジオ: 柔らかい陰影のある照明
  3. マットキャップ: 事前定義された環境マップを使用した照明

 

これらの設定を使い分けることで、モデルの形状や表面の詳細を効果的に確認できます。特に、マットキャップ設定は、材質設定なしで素早くモデルの質感を表現できるため、コンセプトアートの作成に役立ちます。

Blender Workbenchのパフォーマンス最適化

Workbenchは高速なレンダリングエンジンですが、さらにパフォーマンスを向上させるテクニックがあります:

  • オーバーレイの無効化: 不要なオーバーレイ表示をオフにする
  • ビューポートサンプリングの調整: 必要最小限のサンプリング数に設定
  • オクルージョンの無効化: 詳細な陰影が不要な場合はオフにする
  • シーン複雑性の削減: 表示が不要なオブジェクトを非表示にする

 

これらの設定を適切に行うことで、より快適な作業環境を実現できます。

Blender Workbenchとグリースペンシルの連携

Workbenchエンジンは、Blenderのグリースペンシル機能と組み合わせることで、2Dと3Dを融合したユニークな表現が可能になります。以下のような活用方法があります:

  1. 3Dモデル上に直接2Dスケッチを描画
  2. グリースペンシルストロークの深度表示
  3. 3Dモデルとグリースペンシルの組み合わせによるコンセプトアート作成

 

グリースペンシルストロークは、Workbenchエンジンの設定に応じて、3Dシーン内で適切に表示されます。これにより、2Dと3Dのシームレスな統合が可能になります。

 

Blender公式マニュアル: WorkbenchとGrease Pencilの連携

Blender Workbenchでのカスタムシェーディング

Workbenchエンジンは、基本的にはシンプルな表示を目的としていますが、カスタムシェーディングを活用することで、より高度な表現も可能です:

  1. カスタムマットキャップの使用: 独自のマットキャップテクスチャを作成し、独特な質感表現を実現
  2. カラーアトリビュートの活用: 頂点カラーを使用して、モデルの各部分に異なる色を割り当て
  3. テクスチャオーバーレイ: 簡単なテクスチャマッピングによる表面詳細の表現
  4. エッジ表示のカスタマイズ: ワイヤーフレーム表示と組み合わせて、モデルの輪郭を強調

 

これらのテクニックを組み合わせることで、Workbenchエンジンでもアーティスティックな表現が可能になります。

 

以上、Blender Workbenchの特徴と活用法について詳しく解説しました。高速なレンダリングと簡単な設定が特徴のWorkbenchエンジンは、3DCG制作のワークフローを大幅に効率化する強力なツールです。モデリングやアニメーションの作業中はもちろん、コンセプトアートの作成やプレゼンテーション用の素材作りにも活用できるので、ぜひ様々なシーンで試してみてください。