3d 都市データ 無料で入手・活用する方法

3D都市データを無料で入手し、活用する方法について解説します。オープンデータの種類や入手先、3DCG制作での活用例などを紹介します。3D都市モデルを使って、どのような作品や分析ができるでしょうか?

3d 都市データ 無料で入手・活用

3D都市データの無料入手・活用方法
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PLATEAUプロジェクト

国土交通省主導の3D都市モデル整備・活用プロジェクト

💻
無料ダウンロード

約130都市の3Dデータを商用利用可能で無償提供

🎮
多様な活用シーン

ゲーム開発、都市計画、防災シミュレーションなど

 

オープンデータとしての3D都市モデル

3D都市モデルは、都市の地形や建物、インフラなどを3次元で再現したデジタルデータです。近年、このデータがオープンデータとして公開されるようになり、誰でも自由に利用できるようになりました。

 

日本では、国土交通省が主導する「PLATEAU(プラトー)」プロジェクトにより、全国約130都市の3D都市モデルが無償で提供されています。これらのデータは、都市計画やゲーム開発、防災シミュレーションなど、さまざまな分野で活用されています。

 

PLATEAUの3D都市モデルの特徴:

 

• 高精度な地形・建物データ
• 都市を構成する様々な要素(道路、植生、水域など)を含む
• 国際標準のCityGML形式で提供
• 商用利用も含めて無償で利用可能

 

3D都市モデルの活用により、これまで困難だった大規模な都市空間の再現が容易になり、クリエイターの表現の幅が大きく広がっています。

 

PLATEAU(プラトー)からのデータダウンロード方法

PLATEAUの3D都市モデルを入手するには、以下の手順を踏みます:

  1. PLATEAUのウェブサイトにアクセス
  2. 「データダウンロード」ページを開く
  3. 利用したい都市を選択
  4. データ形式(CityGML、OBJ、FBXなど)を選択
  5. 利用規約に同意してダウンロード

 

PLATEAUのデータダウンロードページ(詳細な手順とデータの種類について説明されています):
https://www.mlit.go.jp/plateau/data/

 

ダウンロードしたデータは、3DCGソフトウェアやゲームエンジンで利用できます。例えば、UnityやUnreal Engineなどのゲームエンジンに直接インポートして、リアルな都市空間を舞台にしたゲームを開発することが可能です。

 

3D都市データの形式とソフトウェア互換性

PLATEAUで提供される3D都市データは、主に以下の形式で利用できます:

 

• CityGML:国際標準の3D都市モデル形式
• OBJ:一般的な3Dモデル形式
• FBX:Autodesk社が開発した3Dモデル形式
• 3DS:3D Studio Maxの標準形式

 

これらの形式は、多くの3DCGソフトウェアやゲームエンジンと互換性があります。例えば:

 

• Blender:OBJ、FBX、3DSに対応
• Maya:FBX、OBJに対応
• Unity:FBX、OBJに対応
• Unreal Engine:FBX、OBJに対応

 

特筆すべきは、Unity向けに開発された「PLATEAU SDK for Unity」の存在です。このSDKを使用することで、PLATEAUの3D都市モデルをUnityで簡単に扱えるようになります。

 

PLATEAU SDK for Unityの詳細(インストール方法や使用例が紹介されています):
https://www.mlit.go.jp/plateau/sdk/unity/

 

3DCG制作における3D都市データの活用例

3D都市データは、3DCG制作において多様な活用方法があります:

  1. 背景アセットとしての利用
    • 映画やアニメーションの背景として実在する都市を再現
    • ゲームの舞台設定に実在の都市を使用
  2. 建築ビジュアライゼーション
    • 新しい建築物を既存の都市景観に合成して視覚化
    • 都市開発プロジェクトの提案や評価に活用
  3. VR/AR体験の制作
    • 仮想観光ツアーの開発
    • 歴史的な都市の再現と体験型コンテンツの制作
  4. 教育コンテンツの制作
    • 地理教育用の3D都市モデルの活用
    • 都市計画や建築学習のための教材開発

 

実際の活用事例として、「PLATEAU AWARD 2022」の受賞作品が参考になります。例えば、VRで東京を探索できる「Tokyo Cyberpunk Adventure」や、3D都市モデルを活用した防災シミュレーション「PLATEAU防災アプリ」などが挙げられます。

 

PLATEAU AWARD 2022の受賞作品(具体的な活用事例が紹介されています):
https://www.mlit.go.jp/plateau/award/2022/

 

3D都市モデルを用いた都市計画・防災シミュレーション

3D都市モデルは、都市計画や防災分野でも重要な役割を果たしています:

  1. 都市計画シミュレーション
    • 新規建築物の景観シミュレーション
    • 日照・風環境のシミュレーション
    • 交通流のシミュレーションと最適化
  2. 防災シミュレーション
    • 洪水・津波のハザードマップ作成
    • 避難経路の最適化
    • 災害時の建物倒壊シミュレーション
  3. エネルギー効率の分析
    • 太陽光パネルの設置最適化
    • 都市全体のエネルギー消費シミュレーション
  4. インフラ管理
    • 地下埋設物の3D可視化
    • 道路・橋梁などの維持管理計画の策定

 

これらのシミュレーションや分析には、3D都市モデルに含まれる建物の高さや形状、地形データなどが重要な役割を果たします。また、建物の用途や建築年などの属性情報も活用されます。

 

PLATEAUの活用事例(都市計画や防災分野での具体的な活用例が紹介されています):
https://www.mlit.go.jp/plateau/use-case/

 

3D都市データの無料入手と活用は、3DCGクリエイターにとって大きな可能性を秘めています。実在する都市を舞台にしたコンテンツ制作や、都市計画・防災分野での革新的なアプリケーション開発など、その応用範囲は広大です。PLATEAUのようなオープンデータプロジェクトを活用することで、個人のクリエイターでも高品質な3D都市モデルを扱えるようになり、創造の幅が大きく広がっています。

 

今後は、より詳細なデータの整備や、リアルタイムでの更新、AIを活用した自動生成など、3D都市モデルの進化が期待されます。クリエイターは、これらの最新技術と3D都市データを組み合わせることで、より革新的で魅力的なコンテンツを生み出すことができるでしょう。